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「引き算の美学」

東洋思想の大家でいらっしゃる安岡正篤先生は、

「枝葉を捨てて根本を把握するのが
 東洋の文化の美しさである」

 とおっしゃっています。

それはたとえば、日本の詩歌にも見られます。

和歌(短歌)は31文字。
そして、世界で最も短い詩形である
俳句は17文字ですね。

このわずかな文字の中に、
 自分の想いやメッセージを込めるのですから、
 本当に大切な言葉以外は、
 思いきって切り捨てていく必要があります。


こうして、最も大切なことが明確になり、
最も重要なエッセンスだけが表現されるのです。



『俳句脳』という本の中で、
茂木健一郎さんが、次のようにおっしゃっています。

「無自覚なままに言語を書き連ねる文化より、
 単語を削ぎ落とし削ぎ落とし、原理を考察する文化の方が、
 大らかな生命の力に近づける気がする」

「限られた文字の背後に限られない世界を探ることは、
 限られていない自分を感じることでもある」



また、安岡先生は、
ご著書『人生、道を求め徳を愛する生き方』 の中で、
 以下の話(広瀬淡窓の話)を紹介しておられます。

ある俳人の弟子が、
①「板の間に 下女 取り落とす 海鼠(なまこ)かな」

先生は、「道具建(=ムダ)が多い」といって却下した。

②「板の間に 取り落としたる 海鼠(なまこ)かな」
 と、下女を省いた。

 すると先生は、「これはよくできたが、まだいかぬ」
 と言った。

次の句を作った。
③「取り落とし 取り落としたる 海鼠(なまこ)かな」

それを聞いて先生は手を打って、
「それが句作の真精神である」 と褒めた。

余計なものを手放していく過程で、
 本当に大切なものが鮮明になってくるわけですね。


この弟子にとって、最も表現したかったのは、
 下女でも板の間でもなく、海鼠だったのです。

海鼠を取り落とした感じを、表現したかったわけです。

安岡先生は、こう説明されています。
「説明が多いと、本質が見えなくなる」
「枝葉を捨てていくことで、根本が明確になる。
余計なものを去っていくことによって、物の性命が露わになってくる」


引き算をすればするほど、
 本質的なものが輝いてくるということですね。

「引き算の美学」を実践していくということは、

「最も大切なことを最も大切にしていく」 ということであり、
「最も重要なことに集中する」 ということでもあり、
「自らの価値観にそった生き方をする」 ということでもあるわけです。
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