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先人の知恵の結晶=ビジネス思考を上手に使いこなすポイント

コンサルタントが世界一やさしく教えるビジネス思考(25・完)
太期 健三郎 だいごけんざぶろう
ワークデザイン研究所 代表

本コラムは連載25回目を迎え、今回が最終回となります。ビジネス思考の便利さ、面白さを毎回説明してきましたが、今回は上手に使いこなすためのポイント、使用上の留意点を説明します。読者の皆さんが今後、ビジネス思考を習得し、仕事を楽しく効率的に行う一助となれば執筆者としてこれに勝る喜びはありません。

■ビジネス思考は、便利で楽しい公式、定石

繰り返し述べてきましたが、ビジネス思考は複雑な仕事や問題に取り組む時に、それらを整理して考え、解決策を見つけやすくしてくれる便利なツールです。数学でいえば「公式」、語学でいえば「文法」、武道でいえば「型」のようなものです。ビジネス思考を使うと速く効率的に仕事を行え、同時に、成果の質が上がります。仕事のコスト・パフォーマンスが高まる、とても嬉しいツールなのです。

図表 QCDで比較―自己流で仕事をする vs ビジネス思考を使う

Q:Quality               
 自己流で仕事をする    (質) モレやダブりの発生など、粗い仕事になりやすい。     
 ビジネス思考を使う  高精度、質の高い仕事になる。
C:Cost
 自己流で仕事をする    (コスト) ムダな作業などが発生し、余計なコストが発生する。  
 ビジネス思考を使う  無駄なく低コストで行える。
D:Delivery
 自己流で仕事をする   (納期、スピード) 試行錯誤しながら進め、やり直しなどを行って時間がかかる。
 ビジネス思考を使う  明確なゴールに向かって段取りよく進められるため、スピーディに行える。

つまり・・・ コストパフォーマンスが低い コストパフォーマンスが高い

■分かったつもり、使ったつもり?――ビジネス思考は、使うことが「目的」ではなく、あくまでも「手段」「道具」

このように、ビジネス思考は非常に便利なツールですが、「分かったつもり」で本当には理解していなかったり、「使っているつもり」で十分には使いこなせていない人が少なくありません。

私が企業研修の講師を行う時にしばしば起こることを例として示しましょう。「『SWOT分析』を知っていて説明できる人いますか?」と尋ねると、自信満々に手を上げる人がいます。説明してもらうと「SWOT分析は、強みの「S」、弱みの「W」、機会の「O」、脅威の「T」の頭文字をとったものです」とスラスラ話してくれるのです。「そうですね。それで、その四つを分析して何を行いますか?」と続けて聞くと、「えーと……(と考えながら、しばし沈黙)。あ、自社を客観的に分析します……。それで……」としどろもどろになってしまうのです。

※SWOT分析とは、「強み(Strength)」「弱み(Weakness)」「機会(Opportunity)」「脅威(Threat)」の四つの視点(その頭文字をとって「SWOT」)で事業を総合的に分析するフレームワークです。

SWOT分析の説明を行った後、グループワークでケーススタディに取り組んでもらいます。グループごとに10ページくらいのケースを読み込み、SWOTに整理を始めました。各チームともSWOTによる整理は上手にできていたのですが、それを分析して「今後どんな施策を行うべきか」までを提示できるのはだいたい5チーム中二つくらいです。

SWOT分析の頭文字が何を意味するのかを知っていることと、SWOT分析を理解していることは違いますし、SWOT分析は「SWOTの四つのフレームワークを埋めること」ではありません。

201702021701.png


「分かったつもり」で表層的に使うだけでは、ビジネス思考の「公式」「定石」としての威力を十分に発揮させることはできませんし、自ら考える力、応用力は身に付きません。

これを試験勉強に例えれば、カッコ型の穴埋め問題や選択式問題は解けるけれど、少し難しい応用問題や論述式問題が出題されるとお手上げになる――ということに似ています。

仕事でも生活でもビジネス思考が必要となる場面は、未知のこと、困難な仕事に遭遇した時です。それらは決まったやり方で毎回答えが出るものではありませんし、状況や立場によって正解は異なる(唯一の絶対的な正解はない)ものなのです。

一番怖いのは、分かったつもりになってビジネス思考で情報を整理するだけで満足してしまい、その後、思考停止してしまうことです。

習得し、正しく使いこなすポイントは「このツールを使うのは、何のためか?」「このビジネス思考の本質は何か?」などを考えながら、繰り返し使い続けることです。

■これだけは絶対に習得してほしい二つのビジネス思考

25回の連載で多くのビジネス思考を説明してきました。執筆で心がけたのは「仕事や生活での身近な事例を使って」「小難しくなく、分かりやすく」「面白く」説明することでした。それが少しでも果たせていればよいのですが。

さて、今まで説明してきたことを簡単に振り返ってみます。( )の数字は連載の回数です。
(1)ビジネス思考とは、
(2)ビジネス思考の全体像、
(3)問題解決、
(4)問題解決の各ステップで使用するビジネス思考一覧、
(5)クリエイティブ・シンキングとロジカル・シンキング、
(6)クリエイティブ・シンキング、
(7)ロジカル・シンキング[1]「MECE」、
(8)ロジカル・シンキング[2]「ロジックツリー」、
(9)ゴールからの逆算思考、
(10)PDCA、
(11)目標設定の「SMARTの原則」、
(12)マッキンゼーの7Sモデル、
(13)SWOT分析、
(14)バリューチェーン、
(15)マーケティングとは、
(16)マーケティングの4P、
(17)AIDMAの法則、
(18)AIDMAからAISASへ、
(19)ビジネス・コミュニケーション[1]、
(20)ビジネス・コミュニケーション[2]、
(21)企業ピラミッド、
(22)OJTとOFF-JT、
(23)リスク・マネジメント、
(24)アウトソーシング、そして
(25)ビジネス思考の総まとめ&使いこなすポイント(今回)――です。

図表 連載で説明してきたビジネス思考

201702021702.png


この中で、これだけは絶対習得してほしい!とオススメしたいビジネス思考は「問題解決」と「ビジネス・コミュニケーション」です。年齢、職種、ポジションを問わず全てのビジネスパーソンに必須の基本スキルです。基本スキルですが、「基本」=「簡単」というわけではありません。この二つがビジネスパーソンの“OS”(基本ソフト)で、他のビジネス思考がその上で機能する“アプリケーション”と考えてください。ぜひ、該当回のコラムを読み返し、習得していただきたいと思います。

今回は、使いこなすポイントとして、あえて「使用上の留意点」を書きました。しかし、ビジネス思考は難しいものではなく簡単でシンプルなツールです。

ビジネス思考は、経営者やコンサルタント、経営学者など先人たちが試行錯誤を繰り返しながら作り上げた知恵です。これを使わない手はありません。

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