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⑯「自工程完結」はトヨタに何をもたらしたのか(1)

「自工程完結」の導入から数年も経つと、「自工程完結」という名称を使うかどうかは別にして、仕事の質を改善させるための動きをしている組織と、そうでない組織には、差が出てくるようになっていきました。




 新しい取り組みをやっていない組織は、失敗の数が減らないのです。相変わらず、やり直しを何度もやっている。時間もたくさんかかっていました。また、会議が減っていませんでした。自分たちの業務がどんなふうに走っているのか、よく理解できていないから、すぐに調整会議という名の会議を入れたくなってしまうのだと思います。

 しかし、業務プロセスをしっかり洗い出していれば、必要な担当者同士でしっかりコミュニケーションを交わすことができます。事例にもあったように、前工程と後工程でお互いに仕事を理解し、必要な情報を把握していれば、担当者同士のコミュニケーションで済み、大ざっぱな会議など必要なくなっていくのです。

「自工程完結」的な取り組みを、より意識してもらうために、いろいろなツールも作り、進化させていきました。

 例えば、社内で「PDCAレベルアップシート」と呼ばれているものも、その一つです。管理者やスタッフに使ってもらっています。

 これは、ある業務において、「自工程完結」の考え方がどのくらいできているかを測るためのチェックシートです。

「仕事の目的」「仕事の目標」「仕事のアウトプット」「仕事の手順」「仕事の途中で特に重要なタイミング」「判断基準」「仕事を実施するにあたって必要な情報・モノ・人の能力・注意点」「段取りをした後の仕事の進め方」「仕事の振り返り」「知見の蓄積と伝承」という一〇の項目について、それぞれ二~四のチェックリストに答えていく、というもの。

「仕事の目的」であれば、
□お客さまのニーズをふまえたものになっている
□書類に書いてある
□上司の合意を得ている
□関係者・関係部署の合意を得ている

 といった具合です。それぞれで、どこまで深く意識し、取り組みを進めているか、自己評価してもらうものです。
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