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⑮トヨタの自工程完結のメリット9~10

メリット9~10を紹介します。

[メリット1] 部分最適がなくなる
[メリット2] 上司が進捗確認できるタイミングを作れる
[メリット3] 上下左右のコミュニケーションが深まる
[メリット4] 各部署の固有の強みを最大限に活かせる
[メリット5] 部門内の情報共有が進む
[メリット6] 会議が減る
[メリット7] 理不尽なところが見える
[メリット8] 失敗が減り、妥協がなくなる
[メリット9] 生産性が上がる
[メリット10] モチベーションが上がる



[メリット9] 生産性が上がる

 その一つは生産性が上がることです。


工場では
 常に生産性向上の具体的な目標があり、
  そこにこの考え方が大きく寄与したことはすでに書きました。
 「プロセス/手順」を洗い出すことで、
  実は必要のないプロセスに時間をかけていたことがわかり、
  工程数そのものを減らしたケースもありました。


この新しい考え方になってからは、
 仕事をトータルに見ていくことで、
 全体で生産性向上を図ろうという空気に変わりました。
かつては課ごとに目標が与えられ、
 生産能率を評価されて給料が決められていたものが、
 今は全社平均で判断されるようになっています。
全社で数字が上がれば、
 全員の給料が上がるのです。


スタッフ部門の仕事でも、
 「目的・ゴール」に立ち返ることで、
 実はそれほど必要のない仕事だったことがわかり、
 業務そのものをなくしたケースがあります。
また、自分たちの部門のみならず、
 関連する部署や取引先ともコミュニケーションをとり、
 業務をなくすなど、効率化したケースもありました。


そしてもちろん、
 個々の仕事の生産性もアップしました。
「自工程完結」の考え方を用いることで、
 上司とのコミュニケーション・ギャップが減り、
 やり直しが大きく減ったのです。

[メリット10] モチベーションが上がる

二つ目のメリットは、
 「自工程完結」の考え方で仕事を進めた結果、
 モチベーションが上がることです。

一生懸命頑張っているのに、
 正しい結果が出ない。
これが、
 モチベーションを阻害している
 最大の要因だと私は感じていました。

「自工程完結」の考え方を用いるとは
 つまり、
 正しい結果が出るための、
 正しい仕事のやり方が理解できる、ということです。
一生懸命にこのとおりにやれば、
 結果が出る。
これだけのことをやれば絶対に大丈夫だと、
 みんなが自信を持って仕事を進められるようになる。


言葉を換えれば、
 現時点での一〇〇パーセントが見える、ということです。
それまでは、
 カイゼン、カイゼンと言われ、
 どこまでやったらいいのか、
 決められていませんでした。
より良く、
 昨日より今日……。
もちろんその意識は今もありますが、
 かつてはエンドレスのイメージだった。


それが、少なくともこれをやれば、
 自分の責任は一〇〇パーセント果たせる、
 というものがプロセスの中にあるようになったのです。
だから、
 頑張りがいがある。
「よし頑張ろう」というモチベーションにつながっていく。
もっと精度を高めていこう、ということになる。
マニュアルはアップデートされていきますから、
 カイゼンの意欲もさらに湧くのです。


さらに、
 「目的・ゴール」をしっかり理解することで、
  自分の仕事が単なる作業ではなく、
  お客さまにしっかりつながった大事な仕事なのだ、
  ということがわかるということです。

 これが理解できれば、
  日々はつらつと働く「八百屋の親父」に誰もがなれる。

 自分の仕事の意義を実感しながら、
  仕事に向かうことができるのです。
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