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⑥トヨタの自工程完結をオフィスで使いこなすポイント(1)

営業や企画の仕事にも、
本当は「工程」がある

 トヨタが進めている新しい取り組みを端的に表現するなら、仕事の質を高め、失敗をなくす仕事の進め方です。生産性とモチベーションを同時に高められる仕事の進め方、と言い換えてもいいかもしれません。

 トヨタでは、リーダーになる人、リーダーを目指す人には、全員に持っておいてほしいと考えています。もとよりトヨタは、全員にリーダーになってほしいと考えている会社。冒頭で紹介したように、それが会社としての大きな力を生み出すからです。

 もちろん誰でも仕事をする人は、仕事の質を高めたい、生産性を高めたい、部下や仲間のモチベーションを高めたい、といった意識を持っているのではないかと思います。

 ところが、それができているのかといえば、必ずしもそうではない。何度も書いていますが、「心がけ」だけあってもうまくはいかないのです。意識さえしていればうまくいくのであれば、誰も苦労はしません。そうでないから、みんなが困っている。

 では、どこに問題があるのかというと、仕事の進め方そのものなのです。「このとおりにやれば、必ずうまくいく」という「やり方」が、確立されていないからこそ、そういうことが起こるのです。

 誰でも、結果が出ない仕事や、ミスをすることを目指して仕事をしているわけではありません。なのにそうなってしまったら、一生懸命頑張っているのにどうして結果が出せないのか、ということになるのは当然です。

 いや、それは工場のような必ず決まった仕事だから、できる考え方ではないか、と思われるかもしれませんが、私は違うと思っています。すべての仕事に、必ずうまくいく仕事の進め方=「工程」はあるのです。それを、しっかり洗い出しているか、そうでなくて、ぼんやりとした中で仕事をしているかの違いだと思うのです。

 では、ホワイトカラーの仕事の「工程」とは何か。それは、「意思決定」でしょう。資料作りであれ、企画であれ、営業であれ、何かのアウトプットを出していく途中には、いくつもの「意思決定」が存在しています。「意思決定」が積み重なって、最終的なアウトプットは出てきているはずなのです。

 例えば、会議で使用する資料を作る。スライドにするのか、ペーパーにするのか。どんなソフトウエアを使って作るのか。どんなデザインを選ぶのか。どんな書体にするのか。何枚にするのか。データはどこから持ってくるのか。

 表にするのか、グラフにするのか。いくつ入れるのか……。すべては、資料を作る人の「意思決定」で進んでいくのです。




 この「意思決定」の一つひとつこそ、現場で言うところの「工程」です。この「工程」=「意思決定」を正しくないやり方でしてしまえば、結果を間違ってしまうことになります。

 では、正しい「意思決定」をするためには何が必要なのか。最終的に正しいアウトプットを出すためには、何が必要になるのか。これから6回にわたってホワイトカラーの仕事における「自工程完結」のポイントを紹介しましょう。



[ポイント1]
「目的・ゴール」をはっきりさせる

トヨタが新しい取り組みで目指しているのは、ただ効率が上がればいい、というものではありません。同時に「八百屋の親父」になってほしい。つまりは、この仕事をやったら、毎日活き活きと楽しい、という仕事です。そのために必要なこと、その一つが仕事の「目的・ゴール」をはっきりさせることです。

 イギリスの工場で、工員のモチベーションを大きく高めた取り組みがありました。それこそが、「目的・ゴール」をはっきりさせることでした。

 例えば、ネジを締める。ただネジを締める仕事を延々とやり続けるのか。それとも、このネジを締めることによって、この部品とこの部品がちゃんと結合されて車の耐久寿命が長くなる、だからとても大事なネジなのだ、ということがわかってネジを締めるのか。さて、どちらが、ネジを締める仕事に意欲を持てるでしょうか。

 それこそ家に帰って、子どもに聞かれたとする。
「お父さんは、どんな仕事をしているの?」

 このときに、
「ネジを締めるんだよ。車一台につき一〇本を締める。今日は二〇〇台、工場で作ったから、二〇〇〇本のネジを締めてきた」
と語るのか、
「車のブレーキに部品を取り付けるネジを締めているんだ。決められた力でしっかり締めると、お父さんが作った車のブレーキは、何十年も壊れないで済むんだよ」
と語れるのか。イギリスでは、この取り組みが大きな効果をもたらしました。

 ホワイトカラーの仕事なら、わかりやすいのは、資料を作る仕事でしょう。では、その資料はいったい何のために作られるのか。何が「目的・ゴール」なのか。それをわかって資料を作るのと、わからずに資料を作るのとでは、結果は違ってくる。これは、ご想像いただけると思います。

 ところが、多くのケースで、これができていない。はたして上司は、きちんと「目的・ゴール」を部下に伝えているでしょうか。部下は「目的・ゴール」を理解して、仕事をしているでしょうか。

 そして「目的・ゴール」を認識していると、「部分最適」を避けることができるようになります。仕事の目的は、お客さまにご満足いただくこと。部門が満足することではけっしてない、ということがわかるからです。

 特に大きな会社では、この大前提がともすれば忘れられてしまうことがある。部門の都合で、行動してしまうことがある。「タコツボ」状態で、周りが見えなくなることが起こりうる。

 だから、「目的・ゴール」をきちんと設定し、常に意識しておくことが重要になるのです。

 それこそ、「目的・ゴール」のない仕事はしてはいけない。それは何ももたらさない可能性が高いからです。そんな仕事では、やっている人はモチベーションが高まるはずはありません。そして、「目的・ゴール」のない無駄な仕事を排除することで、生産性は大きく高まるのです。
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