大和魂

武士は
 一般庶民を超えた
 高い階級に置かれていた。

かつてどの国でもそうであったように、
 日本にも厳然とした身分社会が存在していた。

その中で、
武士は
 最上位に位置づけられていたのである。

江戸時代、
 日本人の総人口における武士階級の割合は決して多くはなかったが、
 武士道が生み出した道徳は、
 その他の階級に属する人間にも大きな影響を与えたのである。

農村であれ都会であれ、
子供たちは
 源義経とその忠実な部下である武蔵坊弁慶の物語に傾聴し、
 勇敢な曾我兄弟の物語に感動し、

戦国時代を駆け抜けた織
 田信長や豊臣秀吉の話に熱中した。

幼い女の子であっても、桃
 太郎の鬼が島征伐のおとぎ話などは夢中で聞いていた。

このように、
大衆向けの娯楽や教育に登場した題材の多くは
 武士の物語であったのである。

武士は
 自ら道徳の規範を定め、
 自らそれを守って模範を示すことで
 民衆を導いていったのである。

「花は桜木、人は武士」

 という言葉が産まれ、

侍は
 日本民族全体の「美しい理想」となった。

「大和魂」は、
 
 武士道がもたらしたもの、そのものであった。
 
日本民族固有の美的感覚に訴えるものの代表に

 「桜」がある。

桜は、
 古来から日本人が好んで来た花であった。

西洋人は
 バラの花を好む


バラには桜が持つ純真さが欠けている。

バラは、
 その美しさの下にトゲを隠し持つ
 
朽ち果てる時は、
 生に執着するがごとく
 
そのしかばねを
 枝の上に残す


日本人が愛するのは
 桜の花だ


淡い色彩と 
 ほのかな香り

その美しさの下には
 やいばも毒も隠していない

散り際のいさぎよさ
 まさに死をものともしない

自然のおもむくままに、
 散る準備ができている。


 武士道の精神である

これが日本の姿


その淡い色合は
 華美とは言えないが、
 そのほのかな香りには飽きることがない。

このように美しく、
 はかなげで、
 風で散ってしまう桜が育った土地で、
 武士道が育まれたのもごく自然なことであろう。
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