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設備効率を阻害する7大ロス

(1) 故障ロス
突発的・慢性的に発生している故障によるロスで,
 時間的なロス(出来高減),物量ロス(不良発生)を伴うものである。

故障に関する一般的な問題は,
 ”故障”の定義が不明確なことである。
そのため, TPM活動当初は故障件数が増加する傾向が見受けられるが,
 それは故障件数が増加するのではなく,定義がはっきりしておらず,
 いままで故障としてカウントしなかったものを含めたためである。

そこで,故障の定義を以下のよう定める。

●機能の停止あるいは低下を伴うもの
  (当然,生産停止あるいは生産量減を伴う)
●機能の回復に部品交換ヽ修理を伴うもの
●修理に要する時間が5~10分以上のもの

突発的なものは,わりに目につきやすく,またそれなりに対策が打ちやすいが,
 頻繁に起きる慢性的なものは,いろいろ対策を打ってもなかなか直らないために放置されるケースが多い。
また,ロス,の中で一番大きなウエイトを占めるため,
 どこの工場でも重点的に行っているが,なかなか達成できないのが実状のようである。

故障ロスに対しては,設備の信頼度をいかに高めるかの研究と,
 故障が発生してから回復するまでの時間を,
 いかに最小にするかの保全性の研究が必要である。
いずれにしても故障の発生を”ゼロ”にすることである,
 そして,それは投資をあまりしないでも(一時的にはする)達成は可能である。
そのためには,
 まず従来のBM (Breakdown Maintenance)の誤った認識–故障の発生はやむを得ないもので,
 発生するものという考え方—~を改める必要がある。



(2)段取り・調整ロス
段取り・調整ロスとは,
 現製品の生産終了時点から次の製品の切替え・調整を行い,
 完全な良品ができるまでの時間的なロスをいう。
 

ここで段取替えとは,生産終了時の治工具類の取外し,
 後片づけ,掃除,次の製品に必要な治工具類・
 金具類の準備→取付け→調整→試加工→調整→測定→生産と一連の作業を行い,
 完全な良品ができるまでの時間である。

最近は
 各社でも段取替えの研究が進んでいるが(シングル段取り),
 一般的にはまだ解決すべき課題が多く残されている。
IE的アブローチによる内段取りとタト段取りの区分,
 外段取り,内段取りの時間短縮の研究により,
 時間短縮の傾向は各社にかなり見受けられるが,
 調整の問題がいぜんとして残されている。

調整とは,以下のことをいう。

●ある目的に向かって最適解・最適値を追求するために行う処置で,
 たとえば,
 品質をねらい値に収めるための処置,その他のトラブルを防止するための処置など

●試行錯誤の繰返しにより達成するもの
調整はまったく扱いにくい問題であり,
 一般的には突込みが不足しており,
 食わず嫌いの傾向があるが,
 避けられるものと避けらないものとに区分することが先決である。

避けられないものには剛性不足によるもの,
 機構的なものがあり,避けられるものには誤差の累積によるもの
 (精度不足に起因する),標準化不備によるものがある。

アプローチとしては,
 まず調整のメカニズムを検討し,時間短縮を図ることが課題である,
そしてその目標は極小化”にある。

また,
 段取り・調整ロスの最終的な課題は”一発良品段取り”の実現にある。
最近では調整をゼロにすることにより,”一発良品段取り”がかなり普及するようになってきた。  
一発良品段取りとは,治具交換後に試し加工をせずに,最初から良品を作り出す方法である。
従来は,治具交換後に試し加工し,
 寸法測定しながら調整して所期の寸法に追い込むという方法で,
 試し加工に3~4個のワークを使用しているのが普通である。

一発良品段取りを実現するためには,調整をゼロにすることが必須の条件である。
段取替えの時間短縮には,
 さまざまな検討が行われているが,
 調整や試し加工をゼロにする考え方,アプローチは一部の会社でしか行われていない。



(3)刃具ロス
刃具ロスとは,
 刃具の定期的交換,切損による一時的な交換に伴う時間的なロスと,
 交換の前後に発生する物量ロス(不良・手直し)である。


たとえば,
 チップの交換・砥石の交換・交換後のワーク計測時間,
 またチップ破損の場合に発生する手直し品とその手直し時間,
 廃品不良あるいは交換後の品質が安定するまでの時間などである。

刃具ロスは,
 刃具の寿命延長のための材質・形状変更などの研究により少なくなりつつあるが,
 まだまだ研究を要する課題である。
刃具に一定の交換基準(定数管理)が設定されているが,
 定数まで使用しないうちに折損・チッピングを起こして不良を発生させ,
 やむを得ず交換したり,
 またそれを防止するために定数を短くして使用している場合が多い。

定数の設定にしても,
 設備的精度,刃物ホルダーの精度などに十分気をつけていないために,
 それを修正さえすれば定数が延びるのに,
 短く設定している場合など,その決め方に問題がある。
いずれにしても,
 刃具寿命については一部の生産技術者・刃物専門家が定数刀設定を行うが,
 実際にはそれが守れる基準でないために,現場まかせになっているのが一般的である。

刃具ロスは他のロス
 (故障・不良手直し・段取り・その他)に比較して,口スとして顕在化されにくい面があった。
それは刃具そのもののコストが,わりに安価であるためと,
 他の不良ロスの方が多いために,刃具ロスに対する認識があまかったからだと考える。

しかし,
 故障・段取り・不良などのロスが減少した段階では,
 刃具ロスが設備総合効率を阻害する一番大きな要因であると考えている。
とくにトランスファーマシンなどは,
 設備台数が多いわりに人員が少ないために,
 刃具に伴う口スが総合効率の阻害要因として10~12%に相当する場合もある。

刃具ロスをとくに重要視するのは,以下のためである。

●夜間無人運転の実施のため
●設備総合効率の向上のため
●刃具費の低減のため

機械工場で夜間無人化を阻害している要因として,
 刃具の寿命が短く一直分(夜間)もたないことがあるが
 (その他チョコ停・自動計測などの問題もあるが),
 刃具寿命の延長は夜間無人運転を実施するための必須の条件である。

刃具ロスを減少するためには,
 固有技術の領域の面(材質変更・形状変更その他)からと
 ソフト面(振動測定と最適切削条件の追求)からの検討が必要である。
また,目標は刃具寿命の”極大化”にある。



(4) 立上がりロス
立上がりロスの定義は,以下のとおりである。
●定修後のスタートアップ時
●休止後(長時間停止)のスタートアップ時
●休日後のスタートアップ時
●昼休み後のスタートアップ時


などに,
 規定のサイクルタイムで運転しても,
 機械的なトラブル(チョコ停・小トラブル・刃具破損など)がなく,
 品質が安定し良品を生産できるまでの時間的ロスと,その間に発生する物量ロス(不良・手直し)である。

機械工場では,
 朝の生産立上がり時に寸法バラツキが発生するために,
 調整頻度が多,い,調整に失敗し手直しが発生する,刃具を破損するなどのロスがあり,
 これを防止するために朝早くからウォーミングアップを行いながら空運転を行っている。

これを月曜病といい,
 寒冷地や高精度の製品を作る設備に多く見受けられる現象であり,
 朝の立上がり時に0.5~1.0時間も要する場合がある。 
これはある程度やむを得ない面もあるが,
 ”どうにもならない”
 ”この設備では避けられない”
 などの理由で,放置されているのが現状である。

これらのロスが発生する基本的な原因は,
 機械的な膨張・収縮による熱変位である,
 熱変位がどの部位に発生するのか,
それは十方向なのか,
 一方向なのか,ワークに対する影響度はどうなのか,
 また時間経過(空運転の時間)とともにそれがどのように変化するのか,
 平衡状態になるのは何分後なのか,などが検討されていない。

立上がりロスを減少させるには,
 熱変位の発生部位とその時間的な変化,
 ワークの寸法変動に時間的変化を調査することから始める必要がある。
熱変位については,
 改善できるものと現状の技術レベルでは解決できないものがあるが,
 改善できるものはできるだけ改善し,
 空運転に伴うエネルギーロス,出来高減ロスを減少すべきである。
そして目標ぱ極小化”にある。



(5) チョコ停・空転ロス
チョコ停・空転ロスの定義は,以下のとおりである。
●一時的な機能の停止を伴うもの
●機能の回復は簡単な処置(異常なワークの除去とリセット)でできるもの
●部品交換,修理は伴わないもの
●回復時間は2~3秒から5分未満のもの

このように故障とは異なり,
 一時的なトラブルのために設備が停止,または空転している状態をいう。
たとえば,
 ワークがシュート上で詰まって空転したり,
 品質不良のためにセンサーが作動して一時的に停止する場合である。
これらは,
 ワークの除去,リセットさえすれば機械は正常に作動するものであり,
 設備の故障とは性格的に異なる。

しかし
 一般には,この小さなトラブルにより設備の効率化が非常に阻害される場合が多く,
 とくに自動機,自動組立機,搬送設備に多くみられる現象である。 
一般に,チョコ停(空転)は処置が簡単なために見逃される傾向がある。

また,
 顕在化しにくい面が多く,顕在化していても定量化が困難なため,
 効率化にどの程度妨げになっているか,はっきりしない場合が多い。
チョコ停を減少させるためには,
 現象をよく分析することと,微欠陥を徹底的に排除することが重要であり,その目標ぱゼロ”である。
無人運転を実施するうえで,”チョコ停ゼロ”は必須の条件である。



(6) 速度低下ロス
速度低下ロスとは,
 設備のスピードが遅いために発生するロスで,以下のように定義する。

●設計時点のスピード(あるいは品種ごとの基準スピード)に対する,実際のスピードの差によるロス
●設計時点のスピードが,現状の技術水準またはあるべき姿に比べて低い場合のロス

前者の例として,1サイクルの時間が60秒で基準設定しているが,
 実際には65秒で稼動している場合,5秒が速度ロスとなる。
後者の例として,1サイクjレ時間が60秒で設定されているが,
 現状のレベルで改善すれば50秒まで下げられる場合,10秒が速度ロスとなる。

設計スピードで稼動した場合,品質的トラブル,
 メカ的トラブルの発生のためにスピードダウンせざるを得ない場合もある。
また,
 過去にトラブルが発生にしたとか,
 設備の寿命が短くなるとかの理由で,スピードが出せるのに出していない場合もある。

また,
 設備の仕様スピードがわからないままに稼動してぃる場合もある。 
一般的には,これらの速度低下ロスを明確にしないままで稼動するケースが多い。
しかし,
 この速度低下ロスは7大ロスの中でも,
 もっとも効率に寄与する割合が高いので,十分に検討する必要がある。

スピードアップを図ることが,
 問題の顕在化,技術レペルアップに寄与するものであり,
 その目標は,設計スピードと実際スピードの差を”ゼロ”にもっていくことにある。



7 不良・手直しロス
不良・手直しロスの定義は以下のとおりとする。
すなわち,
 不良・手直しによる物量的ロス(廃棄不良)と,修正して良品とするための時間的ロスである。  
一般的に,突発不良は対策が立てやすく,放置されることはまずないが,
 慢性不良はなかなか原因がわからず,
 対策を講じてはみるが良い結果が得られず,
 放置される場合が多い。

また,
 手直し品も修理品も修正工数が必要であるため,
 慢性不良と考えるべきである。

慢性不良を低減するには,
 慢性故障と同様に,従来と同じような対策を実施してもなかなか解決が困難であり,
 発想の転換が必要である。
不良現象を基本的に見直し,
 その発生メカニズムを再検討し,
 不良ぱゼロ”を達成することを目標に,
 管理ポイントを再検討する必要がある。
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効率化を阻害する16大ロス

効率化を阻害する16大ロス

生産効率化を阻害するロスとして
16大ロス,がある

(1) 設備効率を阻害する7大ロス
  ①故障ロス      
  ②段取り・調整ロス 
  ③刃具ロス      
  ④立上がりロス
  ⑤チョコ停・空転ロス
  ⑥速度低下ロス
  ⑦不良・手直しロス


(2) 設備操業度を阻害するロス  ⑧SD(シャットダウン)ロス


(3) 人の効率化を阻害する5大ロス
  ⑨管理ロス  
  ⑩動作ロス  
  ⑪編成ロス
  ⑫自動化置換ロス
  ⑬測定調整ロス

(4)原単位の効率化を阻害する3大ロス
  ⑭歩留りロス       
  ⑮エネルギーロス  
  ⑯型・治工具ロス

効率化を阻害する16大ロス

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