カンブリア宮殿」東京すしアカデミー代表 福江 誠さん

2015年05月15日
 「カンブリア宮殿」東京すしアカデミー代表 福江 誠さん

東京すしアカデミー代表 福江 誠さん
 

飯炊き3年、握り8年
東京の裏通りにある一軒の寿司店。常連の親子に寿司を握る2人の寿司職人。ひとりは18歳で寿司の世界に入り、7年間は店の掃除や洗い物だけを経験、カウンターに入って寿司をはじめて握ったのは25歳でした。そして13年後の30歳で店長を任されました。

もうひとりの寿司職人は東京すしアカデミーで学び、入店して2年目の23歳の若者。かつてすし職人の世界では飯炊き3年、握り8年と言われて、2年目の新人が客前で寿司を握ることなどありませんでした。

いま寿司の世界に新たな風が吹いています。


神楽坂すしアカデミー
皿いっぱいに握られた寿司が満席で賑わう店内を飛び回ります。50種類以上の寿司ネタが、ランチタイム90分食べ放題で
3218円とあり、お店は口コミで大人気となってます。回転寿司より安いと千葉から1時間かけて来店したお客さんも大満足だと語ります。そんなお店のカウンターでは、ベテラン職人に混じって若い職人が寿司を握っています。脱サラした27歳の若者は職人歴1年、東京すしアカデミーで学んだ卒業生です。


日本初のすし職人養成学校
東京新宿のオフィス街を一本入ったところに日本初のすし職人養成学校「東京すしアカデミー」はあります。養成コース
は1年、2ヶ月、週末、夜間の4コースです。中でも一番人気は2ヶ月コース。費用は86万円と決して安くはありませんが定員を超える応募があるといいます。2ヶ月コースながらも内容は充実しています。魚の見分け方、さばき方、細巻き、軍艦、つまの作り方、シャリ作り、卵焼き、昆布〆、巻物、カウンターでの接客、そして毎回授業の最後には握りの指導もあります。

受講生は20代から60代と様々です。60歳の定年を機に夢だった寿司職人を目指す人、元OLで会社を辞め海外で働くことを希望する女性もいます。

講師は、有名店やホテルで働い経験をもつ一流の講師。そして教材にも一流の食材を使って指導が行われます。指導法は、手取り足取り、わかりやすく、体系立てて教えてくれます。生徒が手にする赤いファイルは、学校のオリジナルテキスト。写真入りで詳しく解説しています。職人技と言われる寿司の技術をいわば「見える化」したテキストとなっています。

技術だけではなく、学校の事務スタッフをお客さんに見立てカウンターでの接客を学びます。まさに実践的指導を行っています。


学校を作ったきっかけ
東京すしアカデミー代表の福江さんはかつて経営コンサルタントとして寿司店を担当していました。当時は第3次回転寿司ブームで回転寿司店が増えるごとに町の寿司店が潰れていく状況でした。仕事としては順調でしたが、自分が好きなカウンターで食べる寿司店が潰れていくのは忍びありませんでした。

一方で若い人が寿司職人を目指しても、昔ながらの厳しくながい修行に耐えられずやめてしまうと現状がありました。そのため、町の寿司店は後継者不足で廃業をする、すると若い人が修行する場がなくなってしまうという負のスパイラルに陥っていました。さらに日本には寿司職人を養成する学校がなかったのです。そこで、若者が寿司職人の技術を学べる場を現代にあった指導法で行う日本初の養成所を立ち上げたのです。

町の寿司店の数
1981年 約5万店
2001年 約3.9万店

東京すしアカデミーを開校
東京すしアカデミーは13年前にわずか100万円の資金でスタートしました。会場は東京巣鴨の廃業した寿司店でした。講師はベテランの職人さんで生徒は毎回2~3人でした。その後、東京・新宿に校舎移転し、開校以来13年間で累計3000人の寿司職人を世界50カ国に送り出しています。

世界は日本食ブーム
世界は日本食ブームに沸いています。東京すしアカデミーには世界各国から求人募集が集まります。受講生の9割が海外での就職を希望しているとあって進路相談のほか、現地情報やビザ取得のアドバイスを行っています。1年コースでは海外で働くことを踏まえ英会話やワイン講座が用意されています。

2ヶ月コースで学んだ元OLで2児の母という女性は、かつてからニュージーランドに住むことが夢でした。彼女は2ヶ月コースを修了するとすぐにニュージーランドにすし職人として渡りました。

シンガポール校開校
日本人を養成して海外へ送り出すだけでは現在の日本食ブームの需要には対応しきれません。そこで現地で人材を養成することを目的にシンガポール校を開校しました。シンガポールを選んだのには訳があります。それは日本の食材が届くからです。日本の食材を使った”本物”の寿司をシンガポールを拠点として広めていくことを考えています。

シンガポール校では寿司以外にもとんかつ、親子丼、茶碗蒸しなど和食を教えています。授業はすべて英語で行われ、受講料は1ヶ月で約46万円。それでも日本の指導を受けることができるとあってマレーシアなどの隣国からの受講生がやってきます。


福江さんは、「和食が正しく世界に広まれば日本のプラスになる」と考えています。そして「すし職人は和食の伝道師」だと語ります。


地元富山で寿司の体験イベント
福江さんの地元は富山県。富山県はいま北陸新幹線の開業でゴールデンウィークの来場者数は軒並み15%アップと富山と訪れる人が増えています。

富山県射水市の新湊漁港は、ホタルイカや富山湾の宝石と呼ばれるシロエビなどおいしい海の幸が豊富です。そんな海の幸に恵まれた新湊に福江さんは、かつてはおいしい寿司を食べにきた記憶があります。「寿司屋通り」という通りがあり、かつてはどこも繁盛していたといいます。しかし現在は廃業した店も多く昔の面影がありません。一軒のお寿司屋さんに入ると寿司を握るのは50年の大ベテランの職人さんでした。話を聞くとお客さんの数は、昔に比べて半分だといいます。そして跡継ぎはなく自分の代で終わりだと語ります。


1年前に廃業した寿司店「磯正鮨」に久々に暖簾が店先にかかりました。そこに現れたのは、富山県から来た一般客20人でした。この日はすしの体験イベントが開かれていました。寿司を食べるだけではなく、にぎる体験ができるのです。指導は、元店主が行います。

寿司で地方を救う
地方の食材、食文化はいいものがたくさんありますが、単に並べるだけではもはやお客は来てくれません。寿司を握りたいと思う人がたくさんいることに着目し、食べるだけではなく、いままでにない体験型イベントとしました。体験型イベントで地域を盛り上げ、人を呼び込み、最終的には寿司職人になりたいと思う若者を増やすことを目指しています。


福江さんの略歴
1990年 大学卒業後 会計システム会社に入社
1995年 経営コンサルタント会社に転職 すし業界を担当
(年間500-1000軒の寿司屋を視察)
2000年 個人コンサルタントとして独立 すし店の経営指導
2002年 東京巣鴨の東京すしアカデミーを開校
2009年 東京・新宿に校舎移転
2014年 卒業生が累計3000人を超える

タグ:東京すしアカデミー 福江 誠 神楽坂すしアカデミー シンガポール 富山 磯正鮨 2ヶ月 すし職人
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