引き算の美学

日本の文化は引き算にある

なぜ引き算の美学が本質にせまる考え方なのか。
それには、 
 日本独特の文化にその答えがあります。

たとえば
 日本の料理は
  素材本来の旨さを引き出す調理法です。

素材の中にある
 苦味や臭みなどの
 余計なものを取り除き、
 素材そのものの旨みを引き出すために
 調味料を使います。


一方で、
 欧米諸国の調理法は
 「足し算」です。

素材の
 苦味や臭みを補うように
 ソースをたっぷりとかけます。

もちろん
 すべての日本料理、
 欧米料理がそうであるとは限りません。

日本の文化には、
 引き算の美学を語れるものがたくさんあります。

一歩引いた謙虚な姿勢もまた、
 心の中のこだわりを削ぎ落とすことです。





足し算では息苦しくなる

足し算とは、
 消費生活そのものを差します。

今の日本は、
 モノに溢れかえっていることは
 誰もがご存知だと思います。

どんなに仕事を頑張ってたくさん稼いでも、
 消費そのものを見直さないかぎりは、
 心豊かに生活はできません。

「あれが欲しい、これも欲しい」
「やっと手に入った!でも次はこれが欲しい」
「あれもいいけど、これも捨てがたい」

自分の生活に足りていないものばかりに目がいってしまうと、
 このように欲しい欲しいと足し算の生き方になります。

そうして、
 果てはローンを組むような
 息苦しい現実をつくってしまうのです。

僕も多額のローンを組んで
 お金に苦労した時期がありました。

そして、
 世の中は誘惑で溢れ返っています。

コマーシャルや広告など、
 なんども刷り込まれるように情報が入ってきます。

足し算の息苦しさを断つには、
 入れる情報を削ぎ落とす必要があります。



僕たちは、
 健康のために食材の栄養には気を使いますが、
 目には見えない心の栄養には、
 案外うといものなのです。
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引き算の美学

足し算の美学、
 引き算の美学とは、
  建築の世界で使われている。

西洋建築では足し算で、
 つまりどんどん華美を求める。

日本の和室は、
 余計なものは極力省き、
 本質である一点に集中する。

生け花の世界でも
 「一つのものを愛でるのに余計なものはいらない。

 むしろ、その「余白」の部分があることで、
 一点の美を強調することができる。」としている。

それはたとえば、日本の詩歌にも見られる。
和歌(短歌)は31文字。
世界で最も短い詩形である
 俳句は17文字だ。

この短い文中で、
 自分の想いを伝えるので必要な言葉以外は、
 削ぎ落としているのだ。

伝え方が上手な人は、
 想いを足し算ではなくて、引き算で表現しているのだ。

「引き算の美学」

東洋思想の大家でいらっしゃる安岡正篤先生は、

「枝葉を捨てて根本を把握するのが
 東洋の文化の美しさである」

 とおっしゃっています。

それはたとえば、日本の詩歌にも見られます。

和歌(短歌)は31文字。
そして、世界で最も短い詩形である
俳句は17文字ですね。

このわずかな文字の中に、
 自分の想いやメッセージを込めるのですから、
 本当に大切な言葉以外は、
 思いきって切り捨てていく必要があります。


こうして、最も大切なことが明確になり、
最も重要なエッセンスだけが表現されるのです。



『俳句脳』という本の中で、
茂木健一郎さんが、次のようにおっしゃっています。

「無自覚なままに言語を書き連ねる文化より、
 単語を削ぎ落とし削ぎ落とし、原理を考察する文化の方が、
 大らかな生命の力に近づける気がする」

「限られた文字の背後に限られない世界を探ることは、
 限られていない自分を感じることでもある」



また、安岡先生は、
ご著書『人生、道を求め徳を愛する生き方』 の中で、
 以下の話(広瀬淡窓の話)を紹介しておられます。

ある俳人の弟子が、
①「板の間に 下女 取り落とす 海鼠(なまこ)かな」

先生は、「道具建(=ムダ)が多い」といって却下した。

②「板の間に 取り落としたる 海鼠(なまこ)かな」
 と、下女を省いた。

 すると先生は、「これはよくできたが、まだいかぬ」
 と言った。

次の句を作った。
③「取り落とし 取り落としたる 海鼠(なまこ)かな」

それを聞いて先生は手を打って、
「それが句作の真精神である」 と褒めた。

余計なものを手放していく過程で、
 本当に大切なものが鮮明になってくるわけですね。


この弟子にとって、最も表現したかったのは、
 下女でも板の間でもなく、海鼠だったのです。

海鼠を取り落とした感じを、表現したかったわけです。

安岡先生は、こう説明されています。
「説明が多いと、本質が見えなくなる」
「枝葉を捨てていくことで、根本が明確になる。
余計なものを去っていくことによって、物の性命が露わになってくる」


引き算をすればするほど、
 本質的なものが輝いてくるということですね。

「引き算の美学」を実践していくということは、

「最も大切なことを最も大切にしていく」 ということであり、
「最も重要なことに集中する」 ということでもあり、
「自らの価値観にそった生き方をする」 ということでもあるわけです。
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