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品質を犠牲に納期を守る理由 『大失敗!中国合弁工場顛末記(3)』

『大失敗!中国合弁工場顛末記』 第3話

by江村 典子 on 2013/8/27

私は、それまでずっと貿易会社のバイヤーを生業にしてきたので合弁工場の運営など、皆目わからなかった。
ただ、扶双化成が常駐社員を置けない以上、自分の目的を以下のように絞った。


1)商品の品質を守る。
2)商品の価格を安く。
3)納期を守る。
  
意外に思われるかも知れないが、実は納期は守れる場合が少なくない。
でも大抵は品質を犠牲にして間に合わせる。
なぜなら、出荷すればお金が入るので、彼らとしてはともかく出荷してお金を回収するのが一番大事である。

こんなこともあった。

新しい商品を作って、『こんなの作りましたので、コンテナに入れました』とちゃっかり、
 無償でなく、代金をつけて、船積み。
いつでも自分に都合よく事後報告だった。

その考え方を改めさせるのには、クレームをつけ、納得させ代金を差し引くことである。
自分の懐が痛むのが一番の薬である。
彼らなりに懐が痛むことをしないようになる。

日本的な考えでなく、『郷に入れば郷に従う』で、
 中国人の考え方を知り、対処する。
それを飽かずに繰り返すという根気が大切である。

私が、扶双化成工業のN社長の支援を始めた頃は、
 現地法人の総経理は、
 人民解放軍で文官を務め、退役後、長安純綿公司のトップになったGだった。
ようするに田舎の名士で、
 長安鎮という小さい町で実業界に“下海”(シャーハイ)=[役人を辞めて商売を始める、の意味]した海千山千の人物だ。

人は悪くないが、小ズルイところのある人で、
 私より20歳は上なので交渉しづらいことこの上ない。
毎回、私が大声を張り上げ、品質や納期、責任の所在や、日本の商売の難しさを説いた。

『馬の耳に念仏』ではあるが、根気よく続けていった。
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意外と知らない中国人爆買いの理由

中国人旅行客が
 日本国内の家電量販店や百貨店、ドラッグストアなどで、
 根こそぎともいえるほどの購買意欲を見せつける風景が当たり前になった。
その姿は
 「爆買い」と形容され、
 今年の新語・流行語大賞にもなった。

それなのに、
 意外と知られていないのが「爆買い」の動機部分。
中国人が目の色を変えて日本製品を買いあさる
 本当の理由について、
 公益財団法人・日本交通公社(JTBF)、
 観光政策研究部次長の塩谷英生氏に解説してもらった。



中国人が日本を訪れる2つの理由
中国人の訪日理由には大きく分けて2つあると考えられている。

1つは
 「純粋に日本の自然や歴史・文化に触れたい」
 という観光目的

もう1つは
 ご存知のとおり、「爆買い」といわれる
 ショッピングを目当てとするものである。

「爆買い」という言葉は、
 1日に発表された新語・流行語大賞で、
 「トリプルスリー」(打率3割、30本塁打、30盗塁)とともに
 年間大賞を受賞した。

インパクトとしては、
 「爆買い」のほうがはるかに上かもしれない。
それほどまでに、大きな話題と注目を集めた社会現象である。

この中国人の旺盛な購買意欲は、
 日本人の財布の紐ひもがなかなか緩まない中、
 小売業界をはじめとした日本経済にとって
 天佑てんゆうとも言える現象となっている。
※天祐(てんゆう)は「天佑」とも書き
 思いがけない幸運、天の助けのこと


中国人の「爆買い」を支えるものとは?

中国人の「爆買い」を支えている大きな要因は2つある。
 ①「為替レートが元高・円安になっていること」
 ②「日本の高品質・高性能の商品を買いたいという強い意欲がある

そして、この2つに加えて見逃せないのは、
 「中国の税制に起因する内外価格差」である。
やさしく言うならば、
 「中国の現在の税制では、
  ある商品を中国で買うよりも、
  日本で買って持ち帰ったほうがかなり安い」ということである。

日本が免税品
 (日本に住んでいない外国人が国内で買い物をする場合、
  一定の要件を満たしていれば消費税や関税を払わなくてよい商品)
 の対象を拡充していることもある。

中国人が「爆買い」する商品には、
 「化粧品・香水」「電気製品」「時計」「カメラ」などが上位に挙げられる
 (観光庁「訪日外国人消費動向調査(2014年)」から)。

 これらが上位に挙がる理由としては、
  日本製品のブランド力や品質の高さ、
  円安による割安感、免税品枠の拡大があることはもちろんだ。

 だが、それだけでは、
  中国人以外の観光客が買い物にかける金額と比べたとき、
  中国人が際立って突出していることの説明にはならない。

 中国人以外にとってもほぼ同様のメリットがあるからだ。

 ちなみに、訪日外国人1人当たりの買い物にかける費用のランクは、
 1位が中国(14.3万円)、
 2位が香港(8.5万円)、
 3位が台湾(5.7万円)である
 (観光庁「訪日外国人消費動向調査 2015年7~9月期の調査結果(速報)」から)。

 「それでは?」と考えてみると、
  「中国の税制」が「爆買い」の理由として浮上してくるのである。


中国人が日本で化粧品を買うワケ

中国人留学生に次のような話を聞いたことがある。
同じ商品でも日本で購入すると本当に安い。
 たとえば
  化粧品は
  日本で買うと半額くらいになることもあります


これは何故なぜか。
ここでは、
 中国の「関税」「増値税」「贅沢品などにかかる税」の
 3つの税がカギとなる。


まず、「関税」。
 中国では化粧品を海外から輸入するのに6.7%の関税がかかる。
 これに対して、日本へやってきて化粧品を買えば関税はかからない。

次に、「増値税」。
 これは日本で言う消費税に相当する。
 中国では化粧品に限らず、
 ほとんどの商品に17%の増値税がかかるのである。

加えて中国では、
 二重課税の形で贅沢品などに税がかかる。
 たとえば、化粧品や香水には30%が加算される。
 少しややこしい話だが、
  中国ではこの贅沢品などにかかる税のことを「消費税」と呼んでいる。

この三つの税を単純に商品の価格に上乗せすると……。
 例えば、日本で100円の商品が、
  中国で購入する場合は162円もすることになる(100円×1.067×1.17×1.3=162円)。

 つまり62%も高くなるのである
 (日本および中国における物流コストなどの諸経費は考慮していない)。

「時計」についても見てみよう。
 こちらは関税が12.3%、増値税が17%、贅沢品などにかかる税が20%である。
 3つの税を単純に商品価格に上乗せすると57%になる。

 この他に税率が高いものとして、衣服、カバン、靴、家電品などがある。

 このように考えると、中国人の「爆買い」という消費行動は、
  品質や円安メリットなどに加えて
  中国の税制という要因が深く絡んでいるといえるであろう。
 日本を訪れた中国人が化粧品や高級時計、家電品などを両手に持ちきれないほど
  「爆買い」するのも頷うなずける。
 買えば買うほど、税率の差の恩恵を享受することができるからである。

 中国政府には日用品の一部の関税を半分程度に引き下げる動きもあるが、
  増値税と贅沢品などにかかる税は変わらない。
 今後の推移を注意深く見守ることは大切だが、
  今の状況では「爆買い」現象が急激に冷え込む可能性も低いのではないかと思う。



大量に買って家族や親族でシェア、
  一部は転売も?


中国人観光客が日本で「爆買い」する買い物の量は、
 おそらく彼らが家族単位で消費可能な分量を
 はるかに超えていることは明らかだ。

その理由を、
 私は個人輸入の一形態というふうに考えている。

同居家族の枠を超えて、
 親戚や友人らからも商品をリクエストされて訪日し、
 大量の買い物をしていくこともあるだろう。

また、さらには、
 もとから転売を目的としたり、
 家族や親戚以外の人の手に渡すつもりで
 大量買いしたりするケースもあるのではないかと推測している。

彼らにとっては、
 日本人が週末に大型スーパーへ行ってまとめ買いをするような感覚かもしれない。
「ちょっと日本へ行って、まとめ買いしてくるよ!」なんていう会話が交わされているかもしれない。



「春節」にかけて中国からの観光客は増えるのか?
だが、順風満帆にも見えた中国の経済にも翳かげりが見え始めている。
この秋以降、
 上海株式市場の急落、
 輸出の減少、
 人民元の切り下げ
 といったさまざまな出来事が起こり、中国経済は一時の勢いを失っている。

これらがきっかけとなり、
 日本で「爆買い」する中国人の購買意欲も減退するのでは、
 との懸念もささやかれている。
年末年始から中国の旧正月
 「春節」(2月18~24日)にかけてやってくる中国人の数と
 「爆買い」の意欲に影響が出るかもしれないという憂いであるが、果たしてどうだろうか?

今年の10月、
 中国の建国記念日に当たる「国慶節」から始まった
 中国人の秋の大型連休(1~7日)では、
 中国人観光客が大挙して来日したと伝えられている。
 航空便だけでなく、クルーズ船を利用しての来日も急増しているという。
 10月の訪日者数を見てみると44万人余りで、
  昨年同月の約2倍だ。訪日の勢いが収まりそうな気配はない。

 さらにこの効果もあって、
  10月の全国百貨店売上高は
  前年同月比4.2%増と7か月連続のプラスとなった。
 消費に対する意欲も、依然として高いといえるであろう。

 中長期的に見るならば、
  この消費ブームもいつかは平準化し、
  勢いも収まってくると考えるのが普通であろう。

 しかし短期的には、
 「買い物と観光を目的とした中国人観光客数と旅行中に消費するお金の額は、
 ともに大きくは減少しない」と筆者は考えるのである。

来年は想定以上の中国人民元急落リスクに要注意

ロンドン 16日 ロイター

来年の外国為替市場における
 大きなリスクを探り当てたいのなら、
 
中国人民元が
 想定以上に急落する
事態に
 最も注意を払わければならない。

過去1カ月で大手銀行が発表した
来年の見通しでは、
 人民元は向こう1年で5─7%下落するとの予想が大勢だ。

しかし
 中国が低迷する輸出のテコ入れ、
 つまり競争力回復を図る必要性に関心を向けていることや、
 中国人の根強い外貨建て資産への投資意欲を踏まえると、
 人民元の下落率は10%ないしそれ以上になるとの声もある。

ソシエテ・ジェネラルのグローバル金利通貨戦略責任者、
 ビンセント・シェノー氏は「人民元安の整然とした動きが薄れていくことがリスクだ。

来年全体で
 1ドル=6.80元に下落するなら秩序ある動きといえるだろうが、
 それが3カ月で起きれば秩序性は薄まる」と述べた。

足元のドル/人民元は6.47元前後で推移している。

人民元が急落すればどうなるか

今年8月11日
 中国人民銀行(中央銀行)が
 3%の切り下げに踏み切った際の状況が参考になる。

金融市場は世界的に動揺をきたし、
2週間足らずのうちに
 米国株が4年ぶりの大幅下落
を記録した。


国際銀行間通信協会(SWIFT)のデータによると、
 人民元は今や国際決済通貨第4位の地位にあり、
 トムソン・ロイターとEBSという銀行間取引の2大プラットフォームでも
 取引高第5位となるなど、影響力は大きい。

<資金流出加速か>
12月初めにロイターが実施した為替予測調査では、
 オンショア人民元の対ドル相場は
 1年後に6.55元まで下落するとの見通しが示された。

外為市場における上位6行の予想を見ると、
 バークレイズは6.90元、
 HSBCとドイツ銀行、JPモルガンはいずれも6.70元、
 シティは6.69元、
 UBSは6.80元だった。

JPモルガンのストラテジスト、ニコラウス・パニギルツォグロウ氏は
 「中国は既に通貨を切り下げており、
  12月の資金流出額は恐らく大きい。
 当局が人民元を特に実効レートベースでさらに押し下げようとすると仮定すれば、
  資金流出が一段と増えると考えるのが無難だ」と話す。
同氏は、
今後1年で中国から毎月300億─400億ドルが流出すると試算したが、
 今年8月や9月ほど劇的にはならないかもしれないとの見方を示した。

もっとも中国当局は
 人民元の動きを引き続きコントロールし、
 ドル建ての借り入れ額が大きい中国企業の破綻を懸念して通貨安誘導は
 じわじわとしたペースでしか行わない、
 というのが銀行関係者の支配的な声だ。


中国は
欧米投資家に対する国内証券市場の開放を着実に進めながらも、
 国内の貯蓄資金の海外投資は
 抑制する態勢にあることが分かっている。

投機筋からすれば、
 こうした国内資金をせき止める当局の「ダム」がどれぐらいで決壊し、
 人民銀行が制御不能と判断するのがいつになるのかが大きな問題といえる。

人民元は
 実効レートでなお15%程度過大評価されており、
 潜在的な人民元の下落とそれに伴う資金流出の余地があるとみるのは
 ヘッジファンド、SLマクロ・パートナーズのディレクターのスティーブン・ジェン氏で、
 中国の外貨準備3兆4400億ドルに対して
 中国人の外貨建て資産への需要規模も3兆ドルあると推計する。

ジェン氏は
 「この種の投資として今年夏以降で既に5000億ドルが流出した可能性がある。
 外貨準備は今後2─3年で2兆ドルまで減少を続けてもおかしくない」と述べた。

このほか人民元安が進めば、
 欧米諸国にとって輸出業者が打撃を受けたり経済全般が
 デフレショックに見舞われる恐れがある、
 と別のロンドンを拠点とする複数のヘッジファンドマネジャーが懸念を表明した。

また輸出において中国の競争相手であるアジア各国は、
 人民元安に対応して自国通貨切り下げに動くかもしれない。

ただ、
 実際にどの国や地域が切り下げるかで見方は分かれている。

UBSは
 マレーシアリンギやインドネシアルピア、
 JPモルガンは台湾、シンガポールを候補に挙げた。
(Patrick Graham、Jamie McGeever記者)

中国経済は想像以上に減速している

小宮一慶(こみや・かずよし)
経営コンサルタント。小宮コンサルタンツ代表
2015/12/1  (1/6ページ)

中国の経済指標は
 どこまで信憑性があるのか、
 いつも議論に上る話題です。

例えば国内総生産(GDP)にしても、
 政府の発表では7-9月期は前年比6.9%とのことですが、
 専門家の間では5%という説もありますし、
 3%という説もあります。
実のところ、誰にも分からないのです。

明確な指針がない中でも、
 私はいくつかの情報や数字をもとに中国の状況を見極めています。

中国経済を見る時のポイントをご紹介するとともに、
 中国の現状と先行き、
 そして日本に与える影響などを解説していきたいと思います。

>> なぜコマツが中国経済を正確にとらえることができる...

大手建設機械メーカーの小松製作所(以下、コマツ)の2015年4-9月期の連結決算が発表されました。

売上高は前の期より5.3%減の8924億円、
 本業の儲けを示す営業利益は21.2%減の990億円。
最終利益である純利益は、
 16.5%減の650億円となりました。


コマツは、売上高の約80%が海外での売り上げです。
ちなみに、全体のうち中国が占める割合は5.5%となっています。
今回、
 業績が落ち込んだ大きな原因は、
 この中国の減速でした。

中国ではインフラ投資の減少が続いており、
 油圧ショベルなどの建設機械や車両の売り上げが44%も落ち込んだとのことです。

ここで、いくつかのポイントに注意が必要です。

一つは、
 インフラ投資は中長期的に経済に影響するという点です。
 今、インフラ投資が減少し続けているということは、
  今後の中国経済の減速が、今まで以上に鮮明になる可能性があるということです。
 とくに工業団地や不動産開発が長年中国経済を支えてきたわけですからね。

二つめは、
 記者会見したコマツの藤塚主夫最高財務責任者(CFO)のコメントです。
 「需要が半減する今の状態が、いつ終わるかわからない」と述べました。

 なぜ、この言葉が重要なのでしょうか。
 コマツの建機にはすべてGPSが装備されています。
 コマツは販売した建機がどれだけ動いているか、稼働状況を把握することができるのです。

つまり、
 コマツは各国のインフラ投資、
 建設の動きの“生データ”を見ているということです。

 ある意味、コマツのデータを見ている内部の人が、
  世界経済の状況を最も正確に把握している人のひとりだと思います。

 そのコマツのCFOが、
 「中国の需要が半減する状態が、いつ終わるかわからない」と言っているわけですから、
 これは非常に深刻な事態だと思うのです。

>> 中国の貿易収支は好調だが輸出・輸入ともに急減
中国経済を見極めるために、
 もう一つ、私が注目したポイントがあります。
 それは、「貿易収支・通関」の数字です。

中国の「貿易収支・通関」を見ますと、
 8月、9月と600億ドル台が続いており、
 なかなか好調と言えます。
収支だけを見ると、一見、悪くない数字です。

ただし注意したいのは、
 輸出額・輸入額ともに激減しているということです。
 貿易黒字は維持していますが、
 輸出と輸入ともに金額・総量が減少しているのです。


ここから、
 二つのことが分かります。
一つは、
 輸出産業自体が縮小しているということ。
 もう一つは、産業機械の稼働率が落ちているために、
  原材料を輸入していないということです(このことは当然、
 資源国の経済にも悪影響を与えています)。

 つまり、貿易収支のバランスは保っていますが、
  産業自体は弱含んでいるという見方ができるのです。
 これは先ほどのコマツの見解とも一致しています。

 中国政府は、2015年の実質GDP成長率目標を7%と設定していました。
 市場予測の平均は6.8%。
 そして、先日発表された7-9月期の成長率は6.9%でした。
 ちょうど目標と予測の中間に落ちたのです。

 これは、偶然かもしれませんし、
  鉛筆を舐めた上での数字かもしれません。
 信憑性があるかどうかは分からないのです。

 ただ、確実に言えることは、
  中国経済の減速が鮮明だということです。

 先の共産党大会では将来の成長率を6.5%としました。
 今後は、政府発表の数値もこの線に近づいていくのではないでしょうか。
 さらには、多くの人が予想している以上にその減速スピードが速い可能性もあります。

>> 中国の「生産地」としての魅力は薄れてくる
この先も、中国の成長率は落ち続けていくでしょう。

一つのポイントは、
 ミャンマーで民主化が進展する可能性です。
8日の総選挙で、アウン・サン・スー・チー女史が率いる野党、国民民主連盟(NLD)が大勝しました。

これによって近い将来、自由化が進むのであれば、
 ミャンマーが
  「生産地」として世界中から
  目を向けられる可能性があるのです。
もうすでに私のお客さまも含め、一部の企業は積極的に動いています。
また、同国は5300万人の人口がありますから、
 消費地としての魅力もあります。
ミャンマー以外のアジアの国々も海外からの投資を呼び込もうと必死です。

一方、中国はどうでしょうか。
 かつては中国も、「世界の工場」として海外からの投資が集まり、急成長を遂げてきました。
 また、膨大な人口から消費地としての魅力もあって海外企業の進出が相次ぎ、
 これが経済成長に貢献しました。

 ところが今、中国国内では、賃金がかつての何倍にも上昇していますから、
  生産地としての魅力は徐々に薄れつつあります。
 これまで「世界の工場」として発展してきたわけですが、
  この先も同じように伸びていくとは考えにくいでしょう。

 また、消費地としての魅力はもちろん残りますが、
  一人っ子政策のせいで生産年齢人口が近い将来に減少するなど、
  成長の見通しは以前ほどはありません。
 消費がなくなることはないですが、
  今までのような伸びは見込めないということです。

 そういった点も含めて、
 今、中国は経済という点で大きな岐路に立たされていると言えます。
 こうした中、中国政府は、一人っ子政策をやめると発表しました。
 ただ、人口動態を戻すにはかなり時間がかかるでしょうから、
  こちらの効果は長い目で見る必要があります。

>> 中国の産業構造は転換期を迎えている
中国は今、産業構造という意味でも、大きな転換期に差し掛かっていることは間違いありません。
この先は、日本のたどった道と同じですが、投資中心の成長から消費主導に移さざるを得ません。
生産面では高付加価値を求めてハイテク化に向かうでしょう。
そうなってきますと日本の産業と真っ向からぶつかります。

先日、三菱航空機が、
 国産初の小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)を開発したことが話題になりました。
その一方で、中国商用飛機の地域路線ジェット旅客機ARJ21の開発も進んでいますから、
 完成すればMRJのライバル機になるでしょう。

現状では
 鉄などの素材での競争が激化しています
が、
将来はここで見た航空機などハイテク分野でも競争が
 これから次々と起こってくるでしょう。

日本のハイテク産業は、
 今以上に厳しい競争に突入していく可能性があります。


また、中国景気の減速が進みますと、
 日本の観光業や一部の小売業にも大きな影響が出てきます。

今のところ、中国からの訪日観光客が増えてきている上、
彼らは“爆買い”しますので、
 特に化粧品、紙おむつ、電化製品、
 宝飾品などの売り上げが伸びています。


影響が顕著なのは百貨店です。
 10月の「全国百貨店売上高」の内訳を見ますと、
 「美術・宝飾・貴金属」の売り上げが
  前年比16.2%増と大幅に伸びているのです。

 これは、中国人の爆買いによるものです。
 特に10月は中国の大型連休となる国慶節がありましたから、観光客の数も増えています。

 ただし、
 中国景気が減速してきますと、
  この爆買いも減ってくる可能性があります。

 中でも富裕層が減少してくるでしょう。
 
中国で株価や地価が落ち込みますと、
 資産効果が失われるからです。


 円安もあり、中国での転売目的での観光客は当面は減らないでしょうが、
  宝飾品などを購入する富裕層が減ってきますと、
  特に百貨店の業績には影響が出てくると思われます。
 とくにこの先、中国景気の減速にともない人民元安が進めば、
  爆買いさえ激減する可能性があります。
 人民元の対円レートの動きには注意が必要です。

>> 減速のスピードが想像以上に速い
もう一つ気になるのは、
 中国国内の不満が高まるかどうかという点です。
高成長に慣れてしまった中国国民が、
 今後やってくる低成長に強い抵抗感が湧いてくるのではないかと、私は少し懸念しています。

GDPは給与の源泉ですから、
 成長率が落ちれば、給与が年々上がりにくくなったり、
 生活レベルを落とさざるを得なくなったりするケースもあるでしょう。
特に、低所得者層は厳しい生活を迫られる可能性も考えられます。

そうなると、中国政府が何としても守ろうとしている
 「共産党一党独裁体制」の維持にも影響してくる恐れがあります。
各地で不満が高まり、
 動乱が起こるようなことがあれば、国内が混乱に陥ってしまいます。

今回、中国経済の分析を行ってきましたが、
 やはりこのままでは中国の先行きは明るくなく、
 むしろ減速のスピードが想像以上に速い可能性が高いと感じます。
日本のバブル崩壊後もしばらくはその余韻があったように、
 すぐには大きな変化はないと思いますが、大きなトレンドを捉えることが重要です。

中国政府の発表する指標だけでなく、
 中国比率の高い企業の業績、中国人観光客の動向なども含めて、
 引き続き注視していくことが必要です。



(構成=森脇早絵)

中国経済停滞続く…資産投資、15年ぶり低水準

文字色読売新聞 - 2015年9月15日

【北京=鎌田秀男】中国経済の成長鈍化が続いている。

国家統計局が13日まとめた
 1~8月の経済主要統計は、
 インフラ(社会基盤)や建設への投資動向を示す
 固定資産投資の伸び率が
 前年同期比10・9%増で

 2000年の通年(9・7%増)以来、
  15年ぶりの低水準となるなど停滞が目立った。

政府が同日発表した
 国有企業改革
 具体性に乏しく
 一段の景気テコ入れ策を求める声が強まりそうだ。

固定資産投資鈍化は、
 不動産開発投資が3・5%増にとどまった影響が大きい。

地方都市での住宅新規着工
 伸び悩みが解消されていない。

8月の鉱工業生産
 前年同月比6・1%増で、
7月からほぼ横ばいだった。

8月の小売り売上高
 10・8%増と底堅く、
 唯一の明るい材料だ。
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