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ザ・ゴール (企業の究極の目的とは何か)

文字色3.工場が会社の役に立っているかどうかを
 知るために指標が必要。

 
 しかし、
 今多くの会社・工場で使われている指標は
 役に立っていない


ジョナとの電話 (95ページから) 
A「メーカーの目標は、お金を儲けることです。
 それ以外のすべては、その目標を達成するための手段です」

J「その通りだ」

A「工場が会社の役に立っているかどうかを知るために指標が必要です。
 会社の本部では
  純利益、
  投資収益率、
  キャッシュフロー
  といった指標を使って、会社全体にこれを適用し、
  目標へのすすみ具合をチェックしています。
ですが工場レベルでは、
 こうした指標はあまり意味がありません。
それに工場で使っているいろいろな評価指標
 ・作業進行表
 ・納期
 ・工場原価
 ・在庫回転率
 ・不良率
 ・稼動率
 ・作業効率
 ・作業負荷率
 ・原単位

  などにしても・・・・・・確信はないのですが、
 あまり役に立っていない気がするのです

J「君の言っていることはよく分かる」

A「ですから、
 私の工場で起っていること、やっていることが
 生産的なのか、非生産的なのか
 どうやったら知ることができるかと思って・・・・・・」

J「君もわかっているように、
 昔からいろいろな指標を使って目標を表してきたのだが、
 どれもメーカーの現場では毎日の仕事にはあまり役に立っていない。
 事実、それが理由で私は別の指標を開発した。
 それは、
お金を儲けるという目標を
 完璧に表すことができ、
 なおかつ工場を動かすための
 作業ルールの設定を可能にした指標だ」


J「指標は3つあって、
 『スループット』、
 『在庫』、
 『作業経費』

 と呼ぶことにした。」

スループット
 販売を通じて入ってくるお金 : 
 入ってくるお金

在庫
 販売をしようとする物を購入するために投資したすべてのお金 : 
 工場に溜まっているお金

作業経費
 在庫をスループットに変えるために費やすお金 : 
 出ていくお金


A「直接作業によって付加された価値(労務費)は在庫ではないのですか」

J「そうかもしれない。
 だが、そうでなければならないということでもない。
 簡単にいえば、
  付加価値を考慮しない方がベターだと判断したから、こう定義したのだ。
  だから、在庫と作業経費の定義はこうなるのだ」

J「君が工場で管理しているすべてのことは
 この3つの指標で測ることができる。
 君は頭がいいから、
  どうするか自分の頭で考えなさい。
 ただ、私がいっているのは、
  常に組織全体についてのことだ。
 製造部門や一工場、一部署だけの話ではない。
 部分的な最適化には興味がないのだ」




4.目標に近づいているかどうか
 (生産的であるかどうか)を判断する指標は
 『スループット』、『在庫』、『作業経費』の3つでいい


アレックス、
 宿題の検討 
 (工場管理のすべてはこの3つの指標で測ることができる) (106ページから)
 ジョナとの最初の出会いで質問されたこと。
 そうか、だからジョナにはわかったのだ。
 ロボットを導入した効果を確かめるために、
 あの3つの指標を使って簡単な質問をしたんだ。

 もっと製品が売れるようになったか
  (つまりスループットが向上したかどうか)、
 従業員を減らせたかどうか
  (作業経費が減ったかどうか)、
 それから彼の言葉そのままだが、
  在庫が減ったかどうか。

 注意深く考えてみると、
 ジョナの指標を使って、
 目標をどう表現したらいいか、すぐにわかった。
しかし、
 彼の定義には少し当惑している。
だが、どの企業でもスループットを向上させたいのは当たり前だ。
それに在庫と作業経費を下げたいのも当然だろう。
ということは目標を表す方法はこれでいいのだ。

 在庫と作業経費を減らしながら、スループットを増やす。
 つまり、ロボットの導入でスループットが上がり、
  あとの2つが下がれば、もっとお金が儲かったということだ。
 でも実際はどうだ。

 スループットに効果があったのか。
 あったとしてもいったいどんな効果があったのか全くわからない。
 わかっていることといえば、
  ここ数ヶ月の間に在庫が増えたくらいのことだ。
 ただ、ロボットのせいかどうか確かでない。
 ロボットで増えたのは原価償却だ。
 しかし、
  ロボットのせいで作業員が減ったということはない。
 ただ人員配置を換えただけだ。
  ということはロボットのせいで作業経費が増えたということか。

 そうか、
 しかし
 ロボットのおかげで効率は向上した。
 少なくともそれが救いだ。
 効率が上がれば、部品一つ当りのコストは下がるはずだ。

 しかし、
 コストは本当に下がったか。
 作業経費が上がったのに、
  どうして部品一つ当りのコストが下がるのだ。




5.3つの指標で工場を管理することは、
  会計基準をかえること。
 評価基準、評価尺度が変われば、
  当然、仕事のやり方が変る


 以下、このメッセージが長くなりすぎるので、
 アレックスが工場を改善していった
  原則ルールをひろいだすことにとどめたい。
 したがって、
  ここからは、詳細な説明はせずに抜書きになっています。
 興味を持たれた方は本の原文を読んでご理解いただきたいと思います。

J「面白いいことを教えてあげよう。
  作業員が手を休めることなく常に作業している工場は、
  非常に非効率な工場だ」(132ページ)
J「バランスがとれた工場とは
 全世界の工場が目指している工場、
 つまり、
  すべてのリソースの生産能力が市場の需要と
  完全にバランスがとれている工場のことなんだが、
  この理想に近づけば近づくほど倒産に近づくのだ」(134ページ)

J「どの工場にも、
 従属事象と統計的変動がある。
この二つがバランスの取れた工場の生産を混乱させる」(137ページ)

A「ムダを無くそうと、
 一つ一つの工程の能力を切り離して
 別々に観測して削ってはいけません。
システム全体を最適化する努力をしないといけないのです。
他のリソースよりも大きい能力を持つリソースがあっても当然なのです。
システムの最終工程のリソースには
 一番はじめのリソースより大きい能力が必要とされます」

J「工場のリソースを二つに分けないといけない。
 ボトルネックと非ボトルネックだ。
 生産能力を需要に合わせるのではない、
  工場の中の製品フローを需要に合わせるのだ」(217、218ページ)

継続的改善プロセス「工場編」 (464ぺーじ)
継続的改善プロセス「一般編」 (474ページ)

ステップ 1
  ボトルネックを見つける
  制約条件を「見つける」

ステップ 2
  ボトルネックをどう活用するかを決める
  制約条件をどう「活用する」かを決める

ステップ 3
  他のすべてを「ステップ2」の決定に従わせる
  他のすべてを「ステップ2」の決定に「従わせる」

ステップ 4
  ボトルネックの能力を高める 制約条件の能力を高める

ステップ 5
  「ステップ4」でボトルネックが解消したら、
  「ステップ1」に戻る
   「警告!」ここまでのステップでボトルネックが解消したら、
  「ステップ1」に戻る
ただし、「惰性」を原因とする制約条件を発生させてはいけない

A「科学者がどのように課題にアプローチするか。
 ビジネスでやるようなデータの収集はやらない。
 反対に何かの現象、自然界の事実を取り上げる、
  そしてそれに関する仮説を立てる。
 仮説とはその現象・事実が存在する理由、
  もっともらしい理由を推測したものだ。ここからが面白い。
 『If(もし・・・・・・ならば)、
   Then(・・・・・・ということになる)』
  という考え方をするんだ。
 物事の関連性を説く、この考え方がすべてなんだ」(490ページ) 

A「マネージャーに求められる能力とは、
 『何を変えるか』、
 『何に変えるか』、
 『どうやって変えるか』、
 この3つの簡単な質問に答える能力ではないか」(519ページ)

A「どんな環境にあっても、
  問題の核心を適確に把握し、
  ありとあらゆる問題を解決する方法を構築できる。
 それも新たな問題を引き起こすことなくだ。
 それから一番重要なことだが、
  そうした変革を周りから反対されることなく、
  逆に熱意を持って受け入れられ、スムースに実行する。
そんな能力を身につけることができたら、
 すごいと思わないかね」(519ページ)

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ザ・ゴール (企業の究極の目的とは何か)

1.一部署の効率化は
 全体の成績をよくすることにはならない


恩師ジョナとの最初の出会い (47ページから)

J「君の工場では、ロボットを使っているといったね。
 ロボットを使って、
  工場の生産性は本当に上がったのかね


A「確か、一つの部署では36%上がったはずです」

J「本当かい。
  ロボットを導入しただけで、
  君の工場からの収益が36%も増えたとしたら凄いじゃないか」

A「いや、そういうわけではないのです。
  もう少し複雑です。
  36%アップしたのは一部署だけですから

J「ということは、
 実際には生産性は向上しなかったわけか」 
 「訊ねたいことがあるんだが、ここだけの話だ。
  ロボットを導入した部署で生産性が向上した結果、
  一日あたりの製品出荷量は一つでも増えたかね

A「?・・・・・」

「従業員の数は減らしたのかね。
  仕掛りなどの在庫は減ったのかね」


A「?・・・・・」

J「よかったら、調べてみたまえ。
  もし、仕掛も人件費も減っていなくて、
  製品の売上げもあがっていなかったら、
  ロボットを導入して生産性が上がったなどとはいえないよ」

A「先生のいうことはわかりますが、
  確かに効率はアップし、コストは下がりました。
  実際平均90%を超す効率を示しています。
  部品一つあたりのコストは大幅に下がりました」

J「本当のことをいったらどうだい。
  在庫はずいぶん増えたんじゃないか。
  すべてがいつも遅れて、
  予定通り何も出荷できない。

  そうじゃないかね」

A「?・・・・・」

 ---中略---

J「生産性とは
  目標に向って会社を近づける、
  その行為そのものだ。

  会社の目標に少しでも会社を近づける行為は、
  すべて生産的なんだよ。
 その反対に目標から遠ざける行為は非生産的だ。
 わかるかね」 
 「目標がわからなければ、
  生産性の意味は理解できない。

 
 目標がわからなければ、
  ただ数字や言葉で遊んでいるに過ぎない

 君の会社の目標は何かね

J「効率を上げること? 
  マーケットシェアを上げること? 
  ちがうね。 アレックス、自分で考えるんだ」

工場の各部署がそれぞれ自分たちが一番いい、
 正しいと思っていることをやっても、

 工場の全体の成績を上げることにはならない



2.工場の目標とは何か

アレックスの自問自答 (61ページから)
私の仕事は工場を管理運営することだ。 
それでいったい目標とはなんだ。
この工場で、いったい何をしなければいけないんだ。
何のために、この工場を動かしているんだ。

ジョナは、
 目標は一つしかないといった。
 そんなことがどうしてありうるのか。
 毎日、仕事でたくさんのことをやるが、
  どれも重要なことばかりだ。
 全部、目標としていいじゃないか。

 低コストで仕入れること。
 購買の連中は安く大量に仕入れることを目標に懸命になって、
  資材倉庫を溢れさせ、高い倉庫を借りている。
 ---安く仕入れることは目標ではない。

 従業員に仕事を与えるために、
  この工場が存在する訳ではない。

 製品を作るために工場を建てた。
 それが目標ではないか。
 ---ジョナは違うといった。

 品質はどうだ。
 品質が悪ければ顧客のニーズに応えられない。
 それだけではダメだ。
 コストが高ければやはり顧客を失ってしまう。
 ---品質の高い製品を効率よくつくる。
 これだけでいいのか。
 
よい製品が安くできても、
  お客が買ってくれなければ、
  生産中止になってしまう。
 そんな事例は多い。


 販売ができなきゃだめだ。
 でも、販売が目的だったら、
  どうしてジョナはマーケットシェアは
  目標ではないとどうしていったのだ。

 素晴らしいアイディアを出して、
 損を食い止め、
 ブレークイーブンにしたら工場は永続できるか。
 ブレークイーブンは目標ではない。
 
会社は
 お金をもうけるために存在するのだ。


 そうか、やっとわかった。

会社の目標は
 お金をもうけることだ、

お金をもっとつくることだ。

 部分が正しい(と思っている)ことをいくら一生懸命にやっても、
 全体として正しい結果をだせることにはならないのだ。

部分が正しいと思ってやっていることは
 目標でなく、
 お金を儲けるという目標の手段なのだ。


ザ・ゴール (企業の究極の目的とは何か)

主人公アレックスは
 ある機械メーカーの工場長。
長引く採算悪化を理由に、
 突然、本社から工場閉鎖を告げられる。
残された時間は、わずか3ヶ月。
それまでに収益体質を改善しなければ、
 工場は閉鎖され、600人の従業員は職を失ってしまうことになる。
半ば諦めかけていた彼だったが、
 学生時代の恩師ジョナに偶然再会したことをきっかけに、
 工場再建へ向けて意欲を燃やし始める。
 
ジョナはこれまでの生産現場での常識を覆す考え方で、
 アレックスの工場が抱える諸問題を
 次々に科学的に解明していく。
そのヒントをもとに、
 アレックスは工場の仲間たちとたゆまぬ努力を続け、
 超多忙な日々を過ごす。
だが、
 あまりにも家庭を犠牲にしたため、
 妻ジュリーは姿を消してしまう。
仕事ばかりか、
 別居、離婚という家庭崩壊の危機に直面したアレックスは・・・・・・。



推薦の言葉  張 富士夫(トヨタ自動車社長) 
生産という分野は考え方が大切だ。
われわれもいつも原点に立ち帰って
 「本当の目的は何か」を考えつづけているので、
 主人公とその部下たちが、
 迷いながら、
 その都度原点に戻って本当のゴールを目指していく姿は
 他人事と思えない。
是非お勧めしたい本である。
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