文章を豊かにするレトリック

3 ポイント
①レトリックとは何か
②擬人法などのテクニックを学ぼう
③豊かに伝えよう


レトリックとは何か

レトリックとは、効果的な表現方法に名前が付いたものです。代表的なものに、擬人法
や倒置法、漸ぜん層そう法があります。

擬人法などのテクニックを学ぼう
人でないものを人に見立てて表現したり、同じ意味のことばを言い方を変えて重ねたり
して、文章を生き生きさせましょう。

豊かに伝えよう
レトリックを意識して使うと、ドラマチックな表現や相手の心をグッとつかむ表現がで
きるようになります。



■基本的なレトリック
①比喩法 
 ものごとの説明に、
 類似したほかのものを借りて表現する方法で、
 ものごとをより鮮明に印象づける効果があります。

比喩法には次のようなものがあります。
⃝擬人法…………
  人ではないものを人に見立てて表現する方法。「空が泣いている」など

⃝声喩……………
  ものごとの状態・様子をそれに示すのにふさわしい音で表す方法。

  擬態語、擬声語など。「トントン」など

⃝直喩(明喩)…
  「ような(に)」などの語を使って、
  たとえるものと、
  たとえられるものを直接比較して示す方法。
  「夢のような話」など

⃝隠喩(暗喩)…
  「ような」などの語を使わずに、
  直接2つのものごとを結びつける方法。
  「人間は考える葦あしである。」など

②強調法 
 表現に迫力をもたらす方法で、
 読み手に強い印象を与える。
 強調法には次のようなものがある。

⃝倒置法………
  主語・述語・修飾語などの順を換えて意味や印象を強調する。「起きろ、早く。」など。

⃝漸層法………
  語句を重ねて用いることによって、徐々に詩や文章の意味を強めていき、
  結論や結末を強調する方法。
  「知ってますよ、知ってますとも、知ってるんですから!」など

⃝反復法………
  同じ語を繰り返して意味を強める。「気になっちゃうんだろう。
  こっち見てほしいんだろう。
  胸が苦しくなるんだろう。」など



■レトリックを用いた文章
演習文
    ①                                    ②         ③
「ふくよかな  海苔の香りが食欲を刺激して、まるで  母が握ったかのような   ……。
                  ④  
そうだ、あのおにぎり、半 分は懐かしさで  出来ています。」

①隠喩  ②直喩  ③黙説法
 (書かれていないことを、読者に推測させることで印象を強めるレトリック)  
 ④隠喩

まとめ
ただ情景を描写するだけでなく、
 レトリックを効果的に使うことで、
 読んでいる相手に鮮明に想像させることができます。
相手に話を印象付けたいときや強調したいときに、
 ことばを彩り、表現を工夫する方法がレトリックです。
レトリックを使って豊かな表現を身につけましょう。
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文章のレトリック(修辞法)の種類と例

倒置法……語順を逆にする
•通常の語順:風呂あがりのビールは、やっぱり美味しいね
•倒置法:やっぱり美味しいね、風呂あがりのビールは


倒置法は
 日常会話でもよく使用します。
ここで注目したいのは、
 どこが強調されるかです。

例文は会話文です。
相手がいる会話文の場合は、
 自然と感情を表す言葉や形容詞が前に来るので、
 前の部分が強調されます。


倒置法を使う意味は、
 言いたいことを
 先に置くということになります。


 
しかし、
 同じ会話文でも、
 小説の場合はこの関係は逆になります。
例えば登場人物が2人で会話している時に、
 「やっぱりおいしいね」と来たら、
 何が美味しいのだろうかと読者は気になります。
その後に「風呂あがりのビール」と来ることで、
 そちらが強調されます。
CMなどで同じ文章が出た場合も、
 やはり後ろが強調されます。
文章を書く際には
 実際の会話と文章での会話の違いを
 意識する必要があるでしょう。

また、
 説明的な文章を後に置くことでも、
 強調することができます。


倒置法(説明的な文章を後ろに置く)
•例:まるで、恋人たちを祝福するかのように、
 クリスマスの夜には必ずと言っていいほど雪が振る
•例:クリスマスの夜には必ずと言っていいほど雪が降る。
 まるで、恋人たちを祝福するかのように

文章の中では、
 倒置法によって
 後ろに置いた部分が強調される
 と考えるといいでしょう。


対句法
•例:美人は三日で飽きる。ブスは三日で慣れる
•例:猫は愛想が悪いが一途。犬は愛想は良いが浮気者


漸層法、逆説法、諷諭
• 漸層法……言葉の反復による盛り上がり
•例:「藪の中」(芥川龍之介「地獄変・偸盗 (新潮文庫)」収録)


 
本の中で紹介されているのは、
 「真相は藪の中」という慣用句の元になっている有名な作品です。
内容は、ある殺人事件について、
 警察官が関係者に尋問をしていくというものです。
事件とは、
 ある夫婦が強盗に襲われ、
 夫が殺されてしまうというものです。
しかし、
 関係者の証言はどれも皆食い違っています。
そして、
 殺された夫も、霊媒師の口を借りて証言をします。

強盗は夫を縛り付けた後、
 妻をレイプしました。
そして、
 事が終わると、
 強盗は「夫の目の前で恥ずかしい姿を見られては、
 この先夫婦としてはやっていけまい」と言い、
 自分の女になるよう持ちかけます。
そして、
 妻がその誘いに乗ったというのが、夫の証言です。
前置きが長くなりましたが、
 その証言の一部に「漸層法」が使われています。


逆説……真理に反した表現で、真理の一面を表す
•例:急がば回れ
•例:本当のやさしさとは、相手に厳しく接することだ
•例:自由を与えられた人間は不自由である
•例:人間は、嘘をつく時には、必ず、まじめな顔をしているものである。(「斜陽 (新潮文庫)」太宰治)
•例:危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である。(「侏儒の言葉・西方の人 (新潮文庫)」芥川龍之介)


 
例のうち、芥川龍之介の「侏儒の言葉」という作品は格言集となっています。
逆説の表現のオンパレードです。
ブログでもいくつか紹介しているので、
 気になる方はどうぞ。(「侏儒の言葉」(芥川龍之介)の名言・格言集)

言葉のレトリック(修辞法)の種類と例

まずは言葉の組み合わせや短い文章レベルでのレトリックを紹介します。

よく知られたレトリック(比喩と擬人法)
•隠喩……「まるで」「ようだ」などの副詞を使わない比喩。
•例:人生は旅だ

直喩……「まるで~のようだ」「まさに」というような表現
•例:あの女はまるで鬼のようだ
※これが隠喩だと「あの女は鬼だ」となる



•擬人法……物事や現象を人の身体や動作で表現する
•例:木枯らしが秋の終わりを告げる
•例:社会のガン

よく使われているが、あまり知られていないレトリック
 (共感覚法、くびき法、換喩、撞着法)
•共感覚法……ある感覚を別の感覚で表現する
•例:深い味
•例:この画家の色使いは目にうるさい



•くびき法……一つの表現が複数の意味と対応する
•例:味と化粧は薄い方がいい
•例:服装の乱れは心の乱れ



•換喩……ある事物を、その事物の一部分
 (印象的な部分)で表現
•男と女⇒スニーカーとハイヒール
•文章を書き始める⇒筆をとる
•ビートルズの曲を聞く⇒ビートルズを聴く



•撞着法……反意語を組み合わせる
•最も落ち着いた驚き
•黒い光


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