使役の助詞「に」「を」

使役の動作主の助詞「に」「を」について

(1)自動詞
S  は [人](を/に)  [自動詞の使役の形]

先生は 学生(を/に) 走らせた。

(2)他動詞
S  は [人]に  [何か]を  [他動詞の使役の形]

先生は 学生に  漢字を  書かせた。

(1)自動詞 : 動作主(人=学生)は、ヲ格。時に、ニ格。
(2)他動詞 : 動作主(人=学生)は、ニ格。

他動詞は「漢字を」というヲ格があるので、
動作主は必ず「(学生)に」のように、「ニ格」となります
そこで、助詞がヲをとるのか、ニをとるのかが、問題になるのは、
自動詞の使役です。

自動詞の使役の助詞「に」「を」について

自動詞の使役では、どんな時に「に」を
どんな時に「を」を使うのでしょうか。

(例)先生は 学生(を/に)走らせた。

①動詞(走る)が、
①-1どんな補語をとるのか。
(その動詞が、どんな助詞とともに使われているのか)
①-2どんな意味を持つ動詞なのか。

②動作主(学生)が、意志を持って行動できるかどうか。

以上の二点が、基本的条件です。

①動詞の問題①-1

(3)子供に 歩道を 歩かせる。
(4)暗い道は危ないので、子供には 通らせません。
   子供に 暗い道を 通らせない。

●移動の場所を示す助詞として、「を」を使う場合、
「を」が、重なってしまうので、使役の動作主には、
「に」を用います。

(1)先生は 学生(○を/○に) 走らせた。
(5)先生は 学生(×を/○に) グランドを 走らせた。

①動詞の問題①-2

●自然現象を表す動詞は、使役の動作主に「を」とります。

(6)おじいさんは 枯れ木に 花を 咲かせました。
(7)雲にミサイルを撃ち込み、雨を 降らせる。

「吹く」「光る」「輝く」「錆びる」「腐る」・・・など。

●感情を表す動詞の中で、「一時的な心の動き」を表すもの。
「ぎょっとする」「ハッとする」「驚く」
「ほっとする」「安心する」
「がっかりする」「失望する」「興奮する」
「かっとする」「怒る」
こういった動詞は「を」とります。

(8)陳さんの上手な日本語は 皆を 驚かせた。
(9)陳さんは 人を 笑わせるのが 得意だ。
(10)彼のその一言が、彼女を 泣かせた。

②動作主の問題

●動作主が、意志を持たない「物」の場合は「を」を使います。

(8)まずは 物価を 安定させることです。
(9)横浜まで 車を 走らせた。
(10)はやく セメントを 固まらせてしまおう。

「を」「に」どちらもとれる自動詞

(11)両親は 次郎(○を/○に)下宿させた。
(12)両親は 子供(○を/○に)行かせた。
(13)コーチは 選手(○を/○に)泳がせた。

「を」「に」どちらも取れる場合、
「を」を使うと「強制」の意味に、
「に」を使うと「許可・放任」の意味になると言われています。

(例)(11)両親は 次郎(を/に)下宿させた。

両親が次郎の意志を考慮していない場合は「を」
両親が次郎の「下宿したい」という申し出を考慮した場合は「に」
を使うということです。

少し例文を作ってみます。

(11’)両親は 嫌がる次郎(○を/?に)下宿させた。
(11’)(次郎がどうしても下宿したいというので)
両親は 次郎(を/に)下宿させた。

(12’)両親は嫌がる子供(○を/に)歯医者へ行かせた。
(12’)(そんなに行きたがっているのならと)
両親は 子供(を/に)行かせた。

(13’)コーチは もう泳げないという選手(○を/に)無理やり泳がせた。
(13’)次は 私(?を/○に)泳がせてください。

上記の例を見ても、「を」「に」の意味による使い分けは、
そういった傾向がある、と考えておいた方がいいと思います。
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