「が」と「を」の違い

「水を」は「飲む」の目的語です。

この「を」は、

 「醤油を取ってください」
 「手紙を出した」

などに使われる、
 動詞の目的語としての「を」なので
 普通の使い方です。

次に
 「水が飲みたい」ですが簡単に言うと
 「が」は強調であると考えてみましょう。

 (厳密には違いますよ)

 「私は田中です」
 「私が田中です」
 この2つの文を見たときに、
  前者は「田中」、
  後者は「私」
  がそれぞれ最も強調される部分です。

「私は田中です」・・「私は鈴木でも佐藤でもなくて
           『田中』なんですよ」

「私が田中です」・・「あの人でもその人でもなくて
           『私が』田中なんですよ」

こんな感じです。
「が」には直前の語を強調する働きが
 あると考えてみてください。

つまり
 「私は水が飲みたい」は
  「私はお茶でもジュースでもなくて
  『水が』飲みたいんです」ということなんですね。
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使役の助詞「に」「を」

使役の動作主の助詞「に」「を」について

(1)自動詞
S  は [人](を/に)  [自動詞の使役の形]

先生は 学生(を/に) 走らせた。

(2)他動詞
S  は [人]に  [何か]を  [他動詞の使役の形]

先生は 学生に  漢字を  書かせた。

(1)自動詞 : 動作主(人=学生)は、ヲ格。時に、ニ格。
(2)他動詞 : 動作主(人=学生)は、ニ格。

他動詞は「漢字を」というヲ格があるので、
動作主は必ず「(学生)に」のように、「ニ格」となります
そこで、助詞がヲをとるのか、ニをとるのかが、問題になるのは、
自動詞の使役です。

自動詞の使役の助詞「に」「を」について

自動詞の使役では、どんな時に「に」を
どんな時に「を」を使うのでしょうか。

(例)先生は 学生(を/に)走らせた。

①動詞(走る)が、
①-1どんな補語をとるのか。
(その動詞が、どんな助詞とともに使われているのか)
①-2どんな意味を持つ動詞なのか。

②動作主(学生)が、意志を持って行動できるかどうか。

以上の二点が、基本的条件です。

①動詞の問題①-1

(3)子供に 歩道を 歩かせる。
(4)暗い道は危ないので、子供には 通らせません。
   子供に 暗い道を 通らせない。

●移動の場所を示す助詞として、「を」を使う場合、
「を」が、重なってしまうので、使役の動作主には、
「に」を用います。

(1)先生は 学生(○を/○に) 走らせた。
(5)先生は 学生(×を/○に) グランドを 走らせた。

①動詞の問題①-2

●自然現象を表す動詞は、使役の動作主に「を」とります。

(6)おじいさんは 枯れ木に 花を 咲かせました。
(7)雲にミサイルを撃ち込み、雨を 降らせる。

「吹く」「光る」「輝く」「錆びる」「腐る」・・・など。

●感情を表す動詞の中で、「一時的な心の動き」を表すもの。
「ぎょっとする」「ハッとする」「驚く」
「ほっとする」「安心する」
「がっかりする」「失望する」「興奮する」
「かっとする」「怒る」
こういった動詞は「を」とります。

(8)陳さんの上手な日本語は 皆を 驚かせた。
(9)陳さんは 人を 笑わせるのが 得意だ。
(10)彼のその一言が、彼女を 泣かせた。

②動作主の問題

●動作主が、意志を持たない「物」の場合は「を」を使います。

(8)まずは 物価を 安定させることです。
(9)横浜まで 車を 走らせた。
(10)はやく セメントを 固まらせてしまおう。

「を」「に」どちらもとれる自動詞

(11)両親は 次郎(○を/○に)下宿させた。
(12)両親は 子供(○を/○に)行かせた。
(13)コーチは 選手(○を/○に)泳がせた。

「を」「に」どちらも取れる場合、
「を」を使うと「強制」の意味に、
「に」を使うと「許可・放任」の意味になると言われています。

(例)(11)両親は 次郎(を/に)下宿させた。

両親が次郎の意志を考慮していない場合は「を」
両親が次郎の「下宿したい」という申し出を考慮した場合は「に」
を使うということです。

少し例文を作ってみます。

(11’)両親は 嫌がる次郎(○を/?に)下宿させた。
(11’)(次郎がどうしても下宿したいというので)
両親は 次郎(を/に)下宿させた。

(12’)両親は嫌がる子供(○を/に)歯医者へ行かせた。
(12’)(そんなに行きたがっているのならと)
両親は 子供(を/に)行かせた。

(13’)コーチは もう泳げないという選手(○を/に)無理やり泳がせた。
(13’)次は 私(?を/○に)泳がせてください。

上記の例を見ても、「を」「に」の意味による使い分けは、
そういった傾向がある、と考えておいた方がいいと思います。

助詞「で」

助詞「で」の意味

「で」は、
 「~てしまう」や「可能形」のところで、
 よく使われます。

 (1)この仕事は、一時間終わると思います。
 (2)ピケティ氏の本は、こんなに厚いのに、一日読んでしまった。
 (3)その場所なら、30分行けます。
 (4)5分お化粧をしてしまいますから、待っていてください。

 この「で」は、
  時間や数量の範囲を決めるときに使います。
 その決めた範囲は超えない、という「で」です。

今回は時間と数量について考えます。

時間・期間の長さを限定する「で」

この「で」は、
 時間・期間を区切るときに使うので、
それに見合った動詞なら、何でも使えます。

 例文(1)は自動詞の「終わる」
 例文(2)は動作動詞(継続動詞)の「読む」
 例文(3)は移動動詞の可能形の「行ける」
 例文(4)は動作動詞(瞬間動詞)の「化粧する」
 を使っています。

まず、(可能形にしていない素の)動詞と可能動詞に分けて、考えます。

1、(可能形にしていない素の)動詞を使うとき

 (1)このビルは、あと一年完成します。
    いままで続いていた動作(ビル建築)の終了・完了を表します
    そして、一年が限度で、それ以上はかからないという意味です。

 (2)駅まで10分歩きます。

 (2)は、10分歩き終わり、10分以上はかかりません、
   ということを表しています。

2、動詞の可能形を使うとき

 (3)このテーマなら、レポートは30分書けます。 
   基本的な意味は1と同じで、その行為の完了を表します。
   そして、どんなに時間がかかっても、
   30分あれば、書き終えることができます、ということです。

30分話しますvs30分で話します

 (1)30分話します。
 (2)30分話します。

   この二つの文の意味の違いは何でしょう。

 (1)の「30分話す」は、30分話し続けることを表します。

 (2)の「30分で話す」は、30分で話し終えることを表しています。

 (2)は、時間の範囲を30分と決め
  その決めた時間を越えないという気持ちを表します。

そこで、通常かかる時間に比べて、
 短いという意識が生まれる
 「たった30分で」という、含みが生まれます。

数や量を限定する「で」

必要な数や量の限度を示し、
それ以上には、ならないことを表します。

 (1)(サイン会で)あと、10人打ち切ります。
 (2)この料理は、たまご2個作れます。
 (3)お支払いは、年一回すみます。
 (4)飲む人が少ないので、ビールは5本足ります。
 (5)この民宿は、6000円泊まれます。

例えば
(1)人数を10人と限定します。
 そして、それ以上はサインをもらえません、ということです。

(2)たまごを2個と決めます。
 そして、それ以上は要りません、ということです。

助詞の「を」の使い方

助詞の「を」の使い方を教えて下さい。

「私は彼を大事に思っている」
「彼は私を愛している」

「を」の意味が分かりません。

「を 」は
 動作の直接的な相手をしめします。


つまり動作
 「思っている」「愛している」に対して、

だれのことを
  「思っている」「愛している」のか
 相手をはっきりさせるのが「を」です。


「私は彼を大事に思っている」なら、
 「思ってる」のはだれ?→「私」は
 だれのことを 「思ってる」?→「彼」を



「彼は私を愛している」なら
「愛している」のはだれ?→「彼」は
だれのことを 「愛している」?→「わたし」を となります。

「を」と「は」 を入れ替えて、
「彼は私を愛している」→「彼を 私は 愛している」とすると、

He loves me. → I love him. になります。

短い言葉ですが、
 「は」「が」
  動作をしている人=主語を表し

  「を」
  その動作を受ける相手=目的語 を表す

 と決まっているのです。

たぶん私たち日本人も子どものときは、たくさんまちがえて
それを「ちがうよ」と教えてもらいながら、時間をかけて分かるようになったと思います。

助詞「の」「に」「も」を別の言葉に置き換える

文章を見ると、その文章の書き手が、書き慣れている人かどうか分かります。

助詞「の」「に」「も」が
 何回も続けて出てくるような文章の書き手は、
 あまり文章を書き慣れてない人でしょう。

助詞「の」は重宝します。

文章をつなげるのに大変便利で、
 つい安易に使いがちですが、
 続けて使うとしまりの無い文章になってしまいます。
次の文章を読んでみて下さい。

下手な文章の書き方例
旅行準備ため買出しにいく。

助詞「の」が3つ出てきました。
これを別の言葉に置き換えて、
 「の」の数を減らすと次のような文章になります。

うまい文章の書き方例
旅行準備するため買出しにいく。


もうひとつ例文を。

下手な文章の書き方例
社員の突然の辞職の申し出。

この文章から「の」の数を減らします。

うまい文章の書き方例
社員から唐突な辞職の申し出。

いかがでしょうか?言い方を変えて「の」を減らすと、文章がすっきりしませんか?

また、助詞「の」は使い方によって、ひとつだけの使用でも意味がはっきりしない文章になります。「母の誕生日プレゼント」と書いた場合、「母からもらった誕生日プレゼント」なのか「母へ贈る誕生日プレゼント」なのか分かりません。

助詞「に」「も」も同じで、連続して使うと読みづらくなります。

下手な文章の書き方例
4月になり、山々にきれいに咲き誇った花々に私は見とれた。

助詞「に」が4回も登場しています。大変読みづらく、くどい印象を感じると思います。では「に」を別の言い回しに変更します。

うまい文章の書き方例
4月、山々に美しく咲き誇った花々を私は見とれた。

文章が整ったと思いませんか?テンポよくすーっと読めるようになったはずです。

「も」も同じです。

下手な文章の書き方例
いつでもバーゲンセールのその店は、昨日も大安売りで、私もつい買ってしまった。

助詞「に」が4回も登場しています。大変読みづらく、くどい印象を感じると思います。では「に」を別の言い回しに変更します。

うまい文章の書き方例
常にバーゲンセールのその店は、昨日も大安売りで、私はつい買ってしまった。

文章を書いていて「の」「に」「も」といった助詞が続くようなら、他の言葉に置き換えることはできないか考えると、うまい文章が書く技術が身に付くでしょう。
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