カンブリア宮殿」東京すしアカデミー代表 福江 誠さん

2015年05月15日
 「カンブリア宮殿」東京すしアカデミー代表 福江 誠さん

東京すしアカデミー代表 福江 誠さん
 

飯炊き3年、握り8年
東京の裏通りにある一軒の寿司店。常連の親子に寿司を握る2人の寿司職人。ひとりは18歳で寿司の世界に入り、7年間は店の掃除や洗い物だけを経験、カウンターに入って寿司をはじめて握ったのは25歳でした。そして13年後の30歳で店長を任されました。

もうひとりの寿司職人は東京すしアカデミーで学び、入店して2年目の23歳の若者。かつてすし職人の世界では飯炊き3年、握り8年と言われて、2年目の新人が客前で寿司を握ることなどありませんでした。

いま寿司の世界に新たな風が吹いています。


神楽坂すしアカデミー
皿いっぱいに握られた寿司が満席で賑わう店内を飛び回ります。50種類以上の寿司ネタが、ランチタイム90分食べ放題で
3218円とあり、お店は口コミで大人気となってます。回転寿司より安いと千葉から1時間かけて来店したお客さんも大満足だと語ります。そんなお店のカウンターでは、ベテラン職人に混じって若い職人が寿司を握っています。脱サラした27歳の若者は職人歴1年、東京すしアカデミーで学んだ卒業生です。


日本初のすし職人養成学校
東京新宿のオフィス街を一本入ったところに日本初のすし職人養成学校「東京すしアカデミー」はあります。養成コース
は1年、2ヶ月、週末、夜間の4コースです。中でも一番人気は2ヶ月コース。費用は86万円と決して安くはありませんが定員を超える応募があるといいます。2ヶ月コースながらも内容は充実しています。魚の見分け方、さばき方、細巻き、軍艦、つまの作り方、シャリ作り、卵焼き、昆布〆、巻物、カウンターでの接客、そして毎回授業の最後には握りの指導もあります。

受講生は20代から60代と様々です。60歳の定年を機に夢だった寿司職人を目指す人、元OLで会社を辞め海外で働くことを希望する女性もいます。

講師は、有名店やホテルで働い経験をもつ一流の講師。そして教材にも一流の食材を使って指導が行われます。指導法は、手取り足取り、わかりやすく、体系立てて教えてくれます。生徒が手にする赤いファイルは、学校のオリジナルテキスト。写真入りで詳しく解説しています。職人技と言われる寿司の技術をいわば「見える化」したテキストとなっています。

技術だけではなく、学校の事務スタッフをお客さんに見立てカウンターでの接客を学びます。まさに実践的指導を行っています。


学校を作ったきっかけ
東京すしアカデミー代表の福江さんはかつて経営コンサルタントとして寿司店を担当していました。当時は第3次回転寿司ブームで回転寿司店が増えるごとに町の寿司店が潰れていく状況でした。仕事としては順調でしたが、自分が好きなカウンターで食べる寿司店が潰れていくのは忍びありませんでした。

一方で若い人が寿司職人を目指しても、昔ながらの厳しくながい修行に耐えられずやめてしまうと現状がありました。そのため、町の寿司店は後継者不足で廃業をする、すると若い人が修行する場がなくなってしまうという負のスパイラルに陥っていました。さらに日本には寿司職人を養成する学校がなかったのです。そこで、若者が寿司職人の技術を学べる場を現代にあった指導法で行う日本初の養成所を立ち上げたのです。

町の寿司店の数
1981年 約5万店
2001年 約3.9万店

東京すしアカデミーを開校
東京すしアカデミーは13年前にわずか100万円の資金でスタートしました。会場は東京巣鴨の廃業した寿司店でした。講師はベテランの職人さんで生徒は毎回2~3人でした。その後、東京・新宿に校舎移転し、開校以来13年間で累計3000人の寿司職人を世界50カ国に送り出しています。

世界は日本食ブーム
世界は日本食ブームに沸いています。東京すしアカデミーには世界各国から求人募集が集まります。受講生の9割が海外での就職を希望しているとあって進路相談のほか、現地情報やビザ取得のアドバイスを行っています。1年コースでは海外で働くことを踏まえ英会話やワイン講座が用意されています。

2ヶ月コースで学んだ元OLで2児の母という女性は、かつてからニュージーランドに住むことが夢でした。彼女は2ヶ月コースを修了するとすぐにニュージーランドにすし職人として渡りました。

シンガポール校開校
日本人を養成して海外へ送り出すだけでは現在の日本食ブームの需要には対応しきれません。そこで現地で人材を養成することを目的にシンガポール校を開校しました。シンガポールを選んだのには訳があります。それは日本の食材が届くからです。日本の食材を使った”本物”の寿司をシンガポールを拠点として広めていくことを考えています。

シンガポール校では寿司以外にもとんかつ、親子丼、茶碗蒸しなど和食を教えています。授業はすべて英語で行われ、受講料は1ヶ月で約46万円。それでも日本の指導を受けることができるとあってマレーシアなどの隣国からの受講生がやってきます。


福江さんは、「和食が正しく世界に広まれば日本のプラスになる」と考えています。そして「すし職人は和食の伝道師」だと語ります。


地元富山で寿司の体験イベント
福江さんの地元は富山県。富山県はいま北陸新幹線の開業でゴールデンウィークの来場者数は軒並み15%アップと富山と訪れる人が増えています。

富山県射水市の新湊漁港は、ホタルイカや富山湾の宝石と呼ばれるシロエビなどおいしい海の幸が豊富です。そんな海の幸に恵まれた新湊に福江さんは、かつてはおいしい寿司を食べにきた記憶があります。「寿司屋通り」という通りがあり、かつてはどこも繁盛していたといいます。しかし現在は廃業した店も多く昔の面影がありません。一軒のお寿司屋さんに入ると寿司を握るのは50年の大ベテランの職人さんでした。話を聞くとお客さんの数は、昔に比べて半分だといいます。そして跡継ぎはなく自分の代で終わりだと語ります。


1年前に廃業した寿司店「磯正鮨」に久々に暖簾が店先にかかりました。そこに現れたのは、富山県から来た一般客20人でした。この日はすしの体験イベントが開かれていました。寿司を食べるだけではなく、にぎる体験ができるのです。指導は、元店主が行います。

寿司で地方を救う
地方の食材、食文化はいいものがたくさんありますが、単に並べるだけではもはやお客は来てくれません。寿司を握りたいと思う人がたくさんいることに着目し、食べるだけではなく、いままでにない体験型イベントとしました。体験型イベントで地域を盛り上げ、人を呼び込み、最終的には寿司職人になりたいと思う若者を増やすことを目指しています。


福江さんの略歴
1990年 大学卒業後 会計システム会社に入社
1995年 経営コンサルタント会社に転職 すし業界を担当
(年間500-1000軒の寿司屋を視察)
2000年 個人コンサルタントとして独立 すし店の経営指導
2002年 東京巣鴨の東京すしアカデミーを開校
2009年 東京・新宿に校舎移転
2014年 卒業生が累計3000人を超える

タグ:東京すしアカデミー 福江 誠 神楽坂すしアカデミー シンガポール 富山 磯正鮨 2ヶ月 すし職人
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「説明する」ことと「教える」こととは違う。

仕事の教え方(TOYOTA Job Instruction)
TWI トレーニング・ウィズイン・インダストリー

大野耐一さんがトヨタ生産システムを作り上げるとき
 ・新しいアイディアを探し出す事
 ・現場での実験、
 ・そして深く考える事
  を組み合わせて”トヨタ生産システム”を作り上げたという。


第二次世界大戦後、
 ダグラス・マッカーサーが進駐軍を率いて
 日本に乗り込んで来た際に、
 彼は日本の産業再建のために最善をつくしたと言われる。
その所以は、品質管理手法を教えたことで有名な
 W・エドワーズ・デミングなどの専門家を連れて来ていて、
 其の中には、
 兵役のため工場を離れるアメリカ人の
 熟練工に代わり
 素人を促成訓練するための手法

 開発したチームも含まれていたそうだ。

トレーニング・ウィズイン・インダストリー
 (TWI)プログラム、
1940年に職業訓練のトレーナーや哲学者も含んだ専門分野横断チームによってつくられた。
ルーツは、第一次世界大戦中、
 造船業界で実用的な職務訓練方法を開発したチャールズ・アレンに遡るらしい。


この手法が、トヨタが磨き上げ、
 最高水準までに洗練したとされるトヨタ生産方式につながったとされる。

TWIは、幾つもの要素から成り立つ。
監督者訓練 TWI Training Within Industry トレーニング・ウィズイン・インダストリー
 仕事の教え方  JI  Job Instruction ジョブ・インストラクション)
 改善の仕方   JM  Job Method   ジョブ・メソッド)
 人の扱い方   JR  Job Relations  ジョブ・リレーションズ)


だが、彼は新しい手法に盲目的に飛びつくような人出は無かった。

「仕事の教え方」以外は、TWIのそれをそのまま受け入れなかったと言われている。

「仕事の教え方」こそがトヨタの標準作業に
 魂を入れるべく要素
 ①作業者に習う準備をさせる
 ②作業を言って聞かせ、やってみせる
 ③作業をやらせてみせる
 ④フォローアップ


『TOYOTA Talent トヨタ経営大全 人材開発』
 ジェフリー・K・ライカー、ディビッド・P・マイヤー(共著)で知った。

製造業にTWIが必要か?

2011年05月09日

どうして製造業にTWIが必要か?
JI(仕事の教え方)その1-標準

[過去と現在]
戦後60年、日本の発展は世界を驚かせました。

そして、「Made In Japan」は世界中に誇れるものとなりました。

日本の製造業を代表できるトヨタ、トヨタの成功に大きいな役割を果した
 「TPS-トヨタ生産方式」、
そして、「TPS」の基礎である「TWI」。
この60年間の宝物であります。

しかし、それは中国の日系企業に忘れられていました。

世は2011、

中国の位置づけが「世界の工場」から「世界の市場」へと成長し、
 西部開拓の進展もあって「安くて豊富な労働力」という姿は
 中国から消えつつあります。

「中国もこれからは品質勝負か!」とやっと気づいた
 中国の日系企業は自国の製造業の発展史を掘り出し、
 「TPS」に視線を向けました。

[TWIとは?]
TPSの真髄は「カイゼン(改善)」であり、
 そして実施するにあたって必要となる技能は「TWI」であります。

「TPS」の理念は表面的なもので、
 実施するにあたって必要となる“技能”は「TWI」です


理念や知識だけを熟知しても、
 実行させる“技能”がないと、
 折角の宝物が台無しになります


「TWI」-Training Within Industryの略語で、
 企業内訓練です。

第二次世界戦争中のアメリカにおいて、
 兵器の生産を確保するにあたって、
 多国籍の人々を現場で抱えていました。
生産効率そして品質を確保する為の現場の管理
 そして教育方法として「TWI」は作られました。

「TWI」には3つのコースがあります
 JI 仕事の教え方
 JR 人の扱い方
 JM 改善の仕方


2011年
 JS 安全な仕事の仕方
  が加わりました


何故製造業にはTWIが必要かについて

まず「JI-仕事の教え方」からみてみましょう。

[仕事の教え方]
 教えることは技能です

 作業者を育成し、継続的な成長を目指す為の重要な技能です。

 成果として、
 ムダ、手直し、不良品の減少
 職場安全意識を高めて災害の減少
 職場で活用する道具や設備の破損の減少などがあります。

良い教え方というのは、
 正確に 安全に 良心的に 速く 
 仕事を覚えさせる方法です。

今よく使われている方法として、
 まず言って聞かせるという方法があります。

仕事のやり方を、
 人に言って聞かせるのは、
 適切にやれば良い方法かもしれませんが、限度があります。

次にやって見せるという方法も職場でよく使われています。

この方法もまた適切にやれば良い方法かもしれませんが、
 やはり限度があります。

もちろん、
 十分で口で教えられるか、
 見せてもらえば、
 その仕事を覚えることはできます。
しかし、
 これは確実で信頼できる教え方ではありません。

ここに、
 どんな場合でも使えば必ず効果のある、
 確実で信頼できる方法があります。
この方法というのは、
 日本の産業界で多くの実績を挙げている「TWI-JI」です。

[作業分解]
「JI-仕事の教え方」の真髄は「標準」とも言えます。

「作業分解」、「四段階法」何れも「標準」に基づき、求めています。

TWIの3つのコースには、それぞれTTT(トレーナ養成コース)があります。

JIのTTTに参加し、
 日本産業訓練協会認定TWI-JIトレーナ資格を取った者たちの指導を受けると、
 恐ろしい程、セリフまでほぼ同じ指導方をしています。

指導するには、事前準備という認識が極めて大切です。

多くの現場の指導者は、
 教える前に仕事を考えることが少ない為、
 教えるべき大事な点を見逃してしまいます。
そして自身が思っている程、
 仕事を理解していない為、
 指導する際に伝える方法、
 手段が考えられなくなります。

「作業分解」で解決できます。

「作業分解」とは、
 作業標準書(WIP,SOP)+監督者の作業経験+自問法で整理したものです。

教える作業の順序、
 急所を整理する指導者に大変重要な「標準」です。

[標準]
「中国のワーカーは標準作業を守らなくて困る」と、
 日本人の工場管理者からそのような嘆きを聞いています。

それは、多くの製造業を悩ませている様です。

では、標準作業を守らないとどうなりますか?

例えば、
 縫製作業で、
 標準ピッチは1インチ当たり7.5針ですが、
 熟練ワーカーは
 スピードアップの為にミシンを1インチ当たり8針に設定し縫製を始めました。

その結果、
 言うまでもありません、不良が大半でした。

中国人の頭はある意味合理主義で、
 ついつい近道、
 即ち手間の掛からない方向に行ってしまう傾向があります。

標準作業を守ることは極めて大事ですが、
 悲しいことに、
 多くの企業では守るどころか、
 標準すらないところも少なくありません。


変な言い方かもしれませんが、

標準をきちんと決められているところでは、
 ワーカーは頭を使う必要などありません、
 手だけ動かせばよい、
 ただ標準に従って機械的に働いていれば済みます。(頭は改善に使う)

今数多くの製造業は
 TPSを推進して、
 毎日改善・改善と言っていますが、

 標準作業のないところ
 標準作業が守れないところに
 改善など無理です


標準は見直すためにあるもの。
標準があってこその改善、
 標準もないのに何を根拠に改善したと言えますか。

特に従業員の定着率が低い今では、
 標準作業の大切さは一目瞭然です。
誰が辞めても、
 新しく入ってきた人は
 必ず標準で教わり、
 標準を守っていれば、
 業務への影響は少なくなります。

標準を守れ!それだけでもきっと効果が見えてきます。

2010年12月24日

TWIはTPSの根源
上海麗宝商務諮詢有限公司 総経理 叶 暁
上海麗宝商務諮詢有限公司 教育部 董 暁晨

凡人でも、鍛えれば秀才となり、
高度な管理技術やノウハウでも、
 それを使いこなす技能が無ければ凡人と同じです。


世は21世紀、数千年の文明史の中に「高度な管理技術」といわれているものは髪の毛のように数え切れません。
しかし、人々はそれらの「高度な管理技術」を本当はどう思っているのでしょうか。それは、人によりそれぞれ違うでしょう。

文学界の諺で「読者百人に百人のハムレットがいる」、「くだらない小説だ!」と思っている人もいるでしょうが、
シェイクスピアを文豪の座から引きずり下ろせませんでした。


[課 題]
製造業界でもそうです。

「TPS」はトヨタを製造業界の神様にしました。そして世界中の製造業は「TPS」を聖書と信じ、求めています。
トヨタのサプライヤーを始め、多くの製造業は「TPS」を導入しました。
或いは導入したがっています。
しかし、
「TPS」を導入しても、いくら研究、推進しても、
 効果が出ない或いは効果が小さいことも事実のようです。


ヘッドハンティングと教育研修の両方を行っているため、
 お客様から「TPSを導入し、
 何年も推進していたのに、
 なぜ効果がでないのだろう。

TPSの真髄をまだ掴んでいないのかな?」、
「TPS推進経験2年じゃ足りないよ、もっと経験が豊富な人材をほしい。」と言われます。

トヨタの成功は事実であって、
 それを支えたのは 
 「TPS」だというのも事実でしょう。


しかし、
「TPS」を導入しても効果が出なく
 製造業の多くを悩ませていることも
 残念ながら事実です。
それは一体なぜでしょうか?



[発 端]
トヨタの歴史を探ってみます。

豊田喜一郎らが提唱していた考えを
 大野耐一らが20世紀60年代に体系化したもの、それが「TPS」です。
その柱となるのが“7つのムダ”削減、ジャストインタイム、自働化であり、
 多くの人々に真髄だと思われているのは「カイゼン(改善)」です。

「改善」という言葉は簡単で、
 「西瓜に塩をかけたらもっと美味くなった」、
 「近道が見つかって通勤がより楽になった」のように、
 人々が毎日のように無意識のうちに行っています。
しかし「現場改善」というとそう簡単なことではありません。

[現 実]
現在多くの製造業の「TPS推進チーム」というのは、
 Lean Managerを中心に、2~3人多ければ4~5人のチームで、
 そのメンバーはほぼ全員課長、係長ランク以上の人達です。

それらの人達は「TPS」をよく知っていて、
 真髄まで理解できていると思われますが、
 それらのある意味「上」の人間でいくら
「TPS」に関する知識が豊富でも、
 本当に「現場」の改善はできるのでしょうか。


今井正明氏は、
その疑問に対して
 2つのポイントを出しました。

比較的に簡単な実務、
例えば
「QC7ツール」、
 「5Sの推進」などであっても、
 多くの管理層人員は理念だけを理解していても実行はできない。


多くの企業には
「TPS推進チーム」があるが、
 そのメンバーは
現場の人々に
 どうやって改善するかを
 教えることはできない


そして現実もその疑問に対し、
 我々に「できない」という答えを出してくれたのです。

[歴 史]
トヨタの歴史に戻りましょう。

「TPS」が出現したのは20世紀60年代です。
しかし、
 あまり人々に知られていませんが、
1951年にトヨタは
 一つの監督者教育体制を導入し、
 速やかに推進して普及させました。


現在では、トヨタの監督者及びその候補者はほぼ全員その教育を受けています。
それが
 後の「TPS」を生み出した
 「TWI」です。

「TPS」の理念は表面的なもので、
 実施するにあたって必要となる“技能”は
 「TWI」です


理念や知識だけを熟知しても、
 実行させる“技能”がないと、
 精通したとは言えません。


現在、多くの製造業で行われている「TPS推進」は
 「小学1年生に夏目漱石の文章を読ませる」のと同様で、
 柱抜きで天井を作っています。



トヨタは、
1951年から
 TWI を導入し監督者技能訓練、
 人材育成の基礎として続けてきました。
すなわちトヨタ生産方式の基礎でもあります。


―トヨタHR部長 加藤 功


TWI の訓練は企業の発展になくてはならない一部であって, TPS の基礎である。

―アメリカ LP 大師 Jim Huntzinger


TWI だけをやっても
 Lean Production はできないかもしれないが、
TWI をやらなければ
 Lean Productionは絶対にできないだろう。


―国際知名企業顧問 今井 正明

[TWIはTPSの源]
ここで「TWI」の紹介を詳しくしないが、

TWI」は3つのコース
  JI-仕事の教え方
  JR-人の扱い方
  JM-改善の仕方
  に分けられていて、
 その対象は監督者あるいはQCサークルなどの推進者です。


現場の監督者、
 いわば毎日現場で働き、
 一番現場改善に相応しい持ち場に立っている人たち。
「改善」は
 それらの人たちが主体となって行わなければ
 実効性のある成果は出ません。

現場で「TPS」を推進したら、必ず問題点、いわば改善する必要性のあるところは湧いてくるでしょう。しかし、問題点が出てきても、ワーカーたちだけで改善するのは難しいでしょう。普通のワーカーは、余計な仕事を任されたくないと思っているでしょう。そこで、現場監督者の力が必要になります。

トヨタの工場へ見学に行くと、本当に驚くほど改善の余地はないと言っても過言ではありません。

ネジ1本まで、置く場所がきちんと決められており、作り過ぎのムダ、手待ちのムダ、運搬のムダ、加工のムダ、在庫のムダ、動作のムダ、不良をつくるムダという「7つのムダ」はほとんどありません。それは決して課長たちを集めた「TPS推進チーム」の力だけでできることではないでしょう。



「TWI」の真髄は「技能」であって、正に「TPS」の源です。

TWI-JI(仕事の教え方)では、「作業分解」を使って作業を細かく分解し、その中から改善点を見つけ出します。正しい教え方をすることで、無駄削減にもなります。ジャストインタイムで強調されている多能工は1人の作業者が複数工程の作業をこなせるようにトレーニングしなければなりませんが、それも「訓練予定」に加えます。

TWI-JR(人の扱い方)では、名目エンジニアを減らし、人偏がついた自働化を達成するには、人の扱い方はどれほど重要なものなのかは言うまでもないでしょう。

JIとJRを扱いこなした上で、JM(改善の仕方)に入っていきます。そうすれば、「TPS」の「改善」にたどり着くでしょう。



「TPS」の推進に手も足も出ない方は、「TWI」から推進してみてはいかがでしょう。

きっと、「TPS」への道を開いてくれるでしょうね。

教育を変えると、世の中が5年で変わる。21世紀の義務教育と大学の役割

日本も北欧型の教育に舵を切る必要がある


これまで述べてきたことを整理します。図-32を見ていただきたい。
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国、地方、学校、親(家庭)の四つの単位で、
 21世紀型の教育に大きく舵を切る必要があります。
日本、シンガポール、イギリス、フィンランド、ドイツ、スイス、米国とありますが、
 パーフェクトな制度を持つ国はありません。

かつて日本の教育は、
 工業化社会をつくるという目標を達成することに成功しました。
では、これから先どうすべきか。
今後は確実に少子化、人口減少が進みますから、
 北欧型に舵を切ることが必要です。
すべては無理でも、
 少なくとも教育の一部は、
 文科省の全国一律の指導要領から自由にすることが望ましいでしょう。


社会性のある人間をつくる


21世紀の教育が目指すべき方向ははっきりしています。
 「社会性のある人間をつくる」
 「食べていく手段を身につけさせる」の2点です。

前者は義務教育、
後者は大学の役割です。

そのために、
 義務教育を高校まで延長し、
 優れた人材にはメンター、ファシリテーターをつける。
大学は職業訓練学校だと割り切り、
 場合によっては自治体や企業と組んで、
 デュアルシステムを導入することが有効ではないかと思います(図-33)。

2017030510.jpg



教育が変われば世の中が変わる


まずは日本全体で、
 国の人材力・国力の低下に対する危機意識を持つことが必要です。
人材は、国力を高める上で一番大きな武器になりますから、
 日本も生き残りをかけて、
 人材育成・教育に正面から取り組まなければなりません。

教育システムを変えると、
 世の中は5年で変わります。

親が変わり、企業も変わります。
「20年かかる」と言う人もいますが、
 私が見た韓国、フィンランド、デンマークは5年で大きく変わっています。
小手先の改革ではなく、
 本質的な考え方を変えることで、
 新たな価値観が社会全体に広がっていくはずです(図-34)。



2017030511.jpg

学校を自由に選択できる「教育バウチャー制」


最後に、
 日本の教育を改革する上で、
 政府、個人、企業がどうすべきか、
 それぞれまとめておきます。


まず政府は、
 教育の目的をはっきりさせる。
「世界のどこでも通用する人材」を育てることを目指し、
 義務教育は社会人の育成、
 大学は世界のどこでも稼ぐことができる能力の習得を最終目標とします。

「教育バウチャー制」を導入し、
 親に教育バウチャー
 (使用目的を教育に限定した引換券)を交付して、
 親が自由に学校を選択できるようにします。
現行の制度のように、
 文科省が学校に定額の交付金を出すのではなく、
 学校を競争にさらすのです。
中学・高校の教育費に、
 日本は1人につきおよそ70万円かけていますから、
 70万円分のクーポンを最初から親に与えます。
学校は
 集まったクーポンの額に応じた
 補助金を受け取る仕組みにすれば、
 選ばれなければ学校経営が成り立たないため、
 一気に改革が進むと思います。


親が教育の主導権を握る


その上で個人としては、
やはり親が
 教育の主導権を握ることが大切です。

学習指導要領のエージェントと化した先生、
 学校に任せきりで、
 子供が家に帰ってきたら
 「宿題やりなさい」などと言っているようでは駄目です。

学校の先生の言いなりになるのではなく、
子供に責任感、
 社会性、思いやりなどを教えながら、
 適性を見きわめてテーラーメイドの教育をすることが、
 子供の能力を引き出すことにつながります。



採用するなら30±2歳まで

企業も新卒一括採用をやめる。
1人ずつ個別採用で、
 30±2歳くらい、28~32歳の人を採るのです。
給料も個別に決めます。
大学を出たばかりで実務遂行能力のない新卒を採ると、
 社会に順化させるために6年間は投資が必要になります。
私の経験則から言って、
 だいたい28歳以上で、
 社会人としての基本が身についた人材を採用するのがいいでしょう。
逆に、32歳を過ぎた人材は
 前の会社で10年働いているので、
 良くも悪くも前の会社の色に染まってしまっている。
ということで、
 30±2歳というのが、
 私の見つけ出したゴールデンルールです。
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