ジャパネット高田明の「伝え方」7極意

コミュニケーションで最も大事なことは、
 「伝えること」ではなく「伝わること」だと思います。

ビジネスの世界だけでなく、
 政治や外交、教育、医療など、世の中のさまざまな場面で、
 伝わっていないことで問題が生じたり、
 対立が起こったりしているのではないでしょうか。

伝わるコミュニケーションの私なりのノウハウは、
 多少なりとも、世の中で起こっている問題を解決するヒントになるかもしれない。
そんな想いで、
 ここでは、ビジネスパーソンの皆さんにも実践していただきやすいと思われるノウハウ、
 「極意」を、次の7つに絞ってご紹介します。

極意
①起承転結の順序は変えてもいい
②わずかな「間」を意図的に作る
③伝えたいことを絞る――最初の1分間が勝負
④目で伝える。身体で伝える
⑤伝える相手を意識する
⑥わかりやすく伝える
⑦面白く伝える




話す「順番」と「間」を意識する

①起承転結の順序は変えてもいい

まずは、話の順番、
 「起承転結」あるいは
 「序破急」についてです。

一般にビジネスパーソン向けの商品と思われている
 ボイスレコーダーをシニア層に向けて紹介し、
 よく売れたことがありました。


ボイスレコーダーを
 ビジネスパーソンや学生にではなく、
 シニア層に紹介する場合、冒頭でこんなふうに言います。

「ボイスレコーダーは会議に使うのも便利ですけど、
ちょっと物忘れしそうなときに、
 自分の声をメモするのもいいですよ


これが導入の「序」です。


この提案で、
 一般にはあまり売れていなかった
ボイスレコーダーが
 ジャパネットでは大ヒットしたんですよ。

シニア世代という新しい市場が開拓できたんです。

そして「破」の部分、展開を考えます。
「軽いでしょう。
 どこにでも持って行けますよ」


「使い方を説明しましょう。
 簡単ですよ。
 3つあるボタンの、
 ここを押すだけですぐに録音ができますよ」


使い方の説明では、
 聞いている人が
 頭の中で整理できるようにしないと伝わりません。


テレビショッピングでは、
 「急」、つまり結論は価格です。
 価格はほとんどの場合、最後にお伝えします。
サプライズは最後にとっておいたほうがいいでしょう。

でも、たまには結論を最初に言うときもありますよ。

テレビショッピングはもちろんですが、
 会議での発表などでも、
 序破急を意識すれば、
 上手くプレゼンテーションができると思います。

序破急は起承転結と言っても同じです。
順番は変えてもいいんですよ。
結論を最初に言ってもいいし、
 極端な話、転結起承でもいいんです。
まずは序破急や起承転結の構造をしっかり理解して、
 その構成や役割が理解できたら、
 序を後回しにして、
 破からいっても上手く伝わる方法があるんです。

こんな場合は、
 結論から言ったほうがいいな、
 相手の性格を考えたら、
 説明を尽くしてから結論を言ったほうがいいなって、
 状況や相手によって、話す順番にも正解があるのだと思います。




②わずかな「間」を意図的に作る

テレビショッピングなら、
 最も伝えたいことをいつ言うか、
 いつ値段を出すか。
そこでどんな間をとるか、
 つなぎの言葉を入れるかどうかが重要なポイントです。


「すごいでしょ、
 これだけのものが入っているんですよ、
 皆さん、どう思います?」


電子辞書なら、
 こういう一言が加えられるかどうか。


大画面テレビなら、
ただ金額を言うのではなく、
 「14万9800円を、・・・・・・、5万円、5万円も引いてですよ、
  9万9800円。10万円切るんですよ!」


と間を作りながら言えるかどうか。
そこで、伝わり方は大きく変わります。


私が愛読している世阿弥は、
 『花鏡』の中で伝え方のポイントを
 「一調二機三声」という言葉で表現しています。

「一調二機三声」というのは、
 声を出すまでのステップです。
声の張り、高さ、緩急といったものを、
 心と体の中で整えるのが第一段階。
 これが一調です。
そして、
 声を出す「間」をとり、
 いつ出すかタイミングを推し量るのが次の段階の二機です。

そして第三段階が声を発する三声。
常にこの過程を踏む必要がある、と書き残しています。

古典芸術の能と比較するのは僭越かもしれませんが、
 これを読んだとき、
 私がやっていることと同じだと思いました。

値段をお伝えするとき、
 声の高さはどうするか、
 どんな間をとるか、
 声を出すにあたって自分で測っています。

日常生活でも同じですよ。
例えば、親が子どもを叱ったり、
 諭したりするとき、
 言いたいことを矢継ぎ早にわーわー言っても、
 子どもには怒られているということしか、伝わりません。


ちゃんと理由をわからせたいと思ったら、
 ゆっくり間を置きながら話す。
1回でわからなければ繰り返して言う。
伝わるまで言う。そんなものですよね。






何を、誰に伝えるかを絞りきる

③伝えたいことを絞る――最初の1分間が勝負

テレビショッピングでも、
 プレゼンテーションの場合でも、
 最初の1分間こそが勝負です。


ジャパネットでは、
 若い世代に人気のあったタブレットを、
 シニア層に提案しています。


シニア層の皆さんには、
 タブレットは使いこなすのは
 難しいと思いこんでいる人が多いようでした。


そこで、私は最初の1分間をこんなふうに使いました。

「皆さん、これ、音声だけで簡単にインターネットができるんです。
 ご年配の方も簡単にできるんですよ。しかも100円! 
 でも、まだ電話しないでくださいね。
 これから詳しくご説明しましょう」


最初のワンフレーズで視聴者の、
 全部じゃありませんよ、シニア層の心をつかむ。
そのことだけを考えました。
シニア世代の多くはインターネットに興味はあるんです。
でも難しいと考えている。
それで、音声だけで簡単にインターネットができるという説明から入ったんです。

そして、タブレットの本体価格は100円(あるいはゼロ円)という料金も、
 最初に伝えてしまいました。
もちろん、プロバイダーとの契約が必要ということは、
 ご納得いただけるまで説明しますが、それは後です。
最初に関心がぐっと前のめりにならないと、
 見続けていただけないからです。


最初の1分間で何を伝えるのか、
 ポイントをしっかり絞っておくことが大切です。


一度にあれもこれもと
 4つも5つも魅力を言われても記憶には残りません。
5つ言っても言い終わったときには、
 聞いた方は最初の3つは忘れていますよ。



➃目で伝える。身体で伝える

例えば、
 小さなビデオカメラを紹介するとき、
「このカメラ、小さいんですよ」
 と語りかけるだけでは伝わりません。

小さいことをアピールするときは、
 必ず手に持つことにしています。
名刺を出して並べてみたりもします。
そうすれば、
 カメラのサイズを一目で伝えることができるからです。


手に持って見せるだけでなく、
 もう一方の手の指で
 カメラを指さす動作も加えることにしています。
すると、お客さまの視線は自然とカメラに向かいます。

指さすという動作を加えるだけで、
 カメラが小さいことをより強くアピールできるんです。

メッセージは全身で伝えることが大切なのです。
カラオケマイクでも、
 私が一曲歌ったときと、そうでないときでは、
 売れ行きはまるで違いました。

「目は口ほどにものを言う」って言いますよね。
目がしゃべる、手がしゃべる、指がしゃべる。
テレビショッピングで商品を紹介するとき、
 私は口で話すだけでなく、手や指でも「話す」ように心がけています。



とことんまで「相手」に合わせる



⑤伝える相手を意識する

先ほどもお話ししましたが、
ジャパネットでは、
 例えばタブレットを
シニア層向けに提案しています。
そのときは、導入から始めて、次のように続けました。

「ほら、タブレットに話しかけるだけで、
 旅行先でも簡単に検索できますよ」
「行きたい温泉の写真が出てきましたよ。簡単でしょう」
「こうして簡単に地図が見られますよ」
「写真もすぐに撮れますよ」


って、実際に使っているところをお見せしながら、
 お伝えします。

女性向け には、
「季節の旬の料理のレシピがすぐに出せますよ」
「冷蔵庫の中の余った食材からぴったりのレシピが検索できますよ」


って説明しました。



業界の常識を面白いように覆し、
タブレットはシニア層に受け入れていただけました。
驚くほど売れたんです。
一般市場では、タブレットを購入するのは、
 圧倒的に若い人たちです。
ところが、ジャパネットたかたのタブレット購入者の7割以上は
 60歳以上のシニア世代なんです。

それは、
タブレットを使っている具体的な情景を想像していただけるように考えた
 私たちのメッセージが伝わったからなのだと思います。

タブレットをシニア層に提案するとはどういうことか。
若い人が知りたいこととシニア層が知りたいことは違うんです。
知識がまるで違うからです。
若い人ならタブレットがどんなものかわかっていますから、
 知りたいのは新商品の性能ですよね。


でもシニア層は違います。
タブレットっていう言葉は聞くけど、そもそもどんなもので、
 どんなことができるのか詳しくは知らない人が多い。
シニア層が知りたいのは、タブレットの性能ではなく。
生活の中で具体的に何ができるのかだと思いました。

ですから、シニア層が知りたい情報をお伝えすることにしたんです。
それがシニア層に提案する、ということです。

同じ商品でも、何を伝えるかは相手によって変わるんです。
それが理解できていないと、的外れな紹介になってしまいます。
だからこそ「誰に伝えるのか」を強く意識することが大切なのです。





⑥わかりやすく伝える

私はラジオ・テレビショッピングでは
 難しい専門用語は使わないで、
 できるだけやさしい言葉で話すようにしていました。


例えば
 「カメラのピントを合わせて」 
  と普通に言ってしまいますよね。

 でも、私は言わないんです。
 代わりに
 「距離を合わせる」と言います。

 ズームという単語も使わずに
 「遠くのものを近づかなくても大きく撮影できる」と説明していました。

 コンパクトカメラとも言いませんでした。
 「名刺くらいのサイズのカメラ」と言いました。
 そのほうが、大きさがイメージしやすいでしょう。

専門用語は便利ですよね。
複雑なことでも一言で言い表すことができます。
つい、使いたくなります。
でも、その言葉を知らない人にはなんのことだかわかりません。
だれにもわかる言葉で伝えることが大切です。

ジャパネットが扱っている商品のほとんどは、
 全国どこでも買える製品です。
ジャパネットでないと買えない、
 というオリジナル商品もありますが、
基本的には量販店などで買える商品ばかりです。

量販店でも買える商品がなぜジャパネットで売れるのか。
中には、量販店ではさっぱり売れなかった製品が
 ジャパネットでヒットしたこともあります。
なぜでしょう。

私は、自然体でわかりやすく伝えるということを
 何より大切にしてきたからだと思います。



⑦面白く伝える

わかりやすく伝えることと同じくらい大切に心がけてきたのが、
 「面白く」伝えることです。
いくら上手くしゃべれても、
 テレビを見た人が、
 「ああ、これはモノを売ろうとしているんだな」と感じてしまうと、
 それだけで敬遠されてしまいます。
大切なのは、
 テレビを見ている人に番組自体が
 「楽しい」「面白い」と感じていただけることだと思います。

私はそれをよくよく考えて、いろいろ試してもきました。
試してみたことが正解だったのか、失敗だったのかは、
 数字が教えてくれますから、見極めるのは簡単です。




情熱なきテクニックには意味がない

数字が教えてくれたのは、
 商品を紹介する中で
 「その商品をどんなふうに使えば、
  生活がどのように楽しくなるのか、豊かになるのか」
 「この商品によって生活はどう変わるか」
 といったことが具体的に表現できたとき、
 番組は「楽しい」「面白い」と感じていただける、ということでした。


今は、モノをモノとして売ろうとしてもなかなか売れません。
でもハード(商品)の価値は、ソフト(使い方)を提案することで、
 どんどん上がっていきます。
だから、モノを売る私たちは、
 その商品が、どんな人が、どんな生活シーンで使うことでより輝くのか、
 より需要を掘り起こせるのかということを、常に想像し考えてきました。
商品を飽くことなく研究し想像を巡らせる。
それができたとき、面白く伝えることができました。

伝わるために、
 最も大切なのは、実はパッションであり、情熱です。
強い想いがあれば、
 それは、身体から発せられます。
しゃべりの上手い下手に関係なく、
 テレビショッピングならば、
 「この商品の魅力を伝えたい」という想いが伝われば、
 売上が確実に上がります。

「強い想い」を持つこととともに、
 ここまで述べてきた私なり伝えるコミュニケーションのノウハウ、
 7つの極意が、皆さんの伝える力を高める参考になればうれしく思います。
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【カンブリア宮殿メモ】伊那食品工業塚越寛の年輪経営とうんこ

伊那食品工業についてはあまりご存知でない方はまずは
 こちらのサイトを見ておいた方がイメージがしやすいかと思われます。

かんてんぱぱ(伊那食品工業株式会社)

伊那食品工業の成功は「年輪経営」にあり!
年輪経営とは、業績を毎年少しずつで良いから伸ばすという考え方。

小池栄子:かんてんぱぱは大人気商品だが、一部商品を除いてスーパーに置いていないがどうしてか。

塚越寛:1つはかんてんの原料はどこにもある代物ではない。需要が急激に伸びると原料の価格がすぐに跳ね上がってしまう。もう1つは値崩れをしたくない。社員が一生懸命作ったものだからこれだけはどうしても頂きたい。

塚越寛:「売上げ = 成長」ではない。売上げが上がったからといってその会社が潰れない保証はない。パイに限界のある業界では急いではならない。その裏には「確実に」という言葉がある。

働く社員の力を生む雇用体系
伊那食品工業は昔ながらの年功序列の給与体系をとり、これこそ年輪経営を支える柱となっている。さらに社員を決してリストラしない終身雇用。

村上龍:本の中で利益とは健康な企業が出すうんこと書いていたが。

塚越寛:排出物を多くするために食べているわけではない。健康になるため。健康だと良い結果も出る。企業も同じ。企業も稼いだお金は栄養として会社の隅々まで行き渡らせなければならない。一番大事なことは社員のモチベーション。十分な給料を払わなければならない。研究や社会貢献もしなければならない。残ったものが利益。

村上龍:カンブリア宮殿に出る方は利益を目的としてはならないと言う。だが利益がないと会社は潰れてしまう。利益と社員のモチベーションはどういったバランスになっているのか。

塚越寛:バランス感覚は経営者は持っていなければならない。お金の使い方は経営者に課せられた大事な判断力。究極にはうんこの考え方だと利益が出るようになるはず。

村上龍:年輪経営とはリストラなどをしないように暴飲暴食を控えるという理解で良いか。

塚越寛:ある業種がその市場を食べつくしてしまうと違う業界に行く。そこで競争が起こる。適正な競争と下等競争というものがあると考えている。適正な競争は大いにやるべきだが、価格にまで踏み込むのは下等競争である。

塚越が語る地道な努力のヒストリー!
村上龍:かんてんというマーケット規模が小さい会社だからこそ年功序列や終身雇用が出来るのではないかという人もいるのではないか。

塚越寛:経営者とはそういう理由を見つけて自己満足したいだけ。そんなことはない。激しいときには40社もの競争があった。どうすれば単なる価格競争から抜け出すことが出来るのかを考えた。得た結論は新しく用途開発をすること。価格競争をしたことによって、シェアを上げたわけではない。

村上龍:売上げが上がらない場合にはリストラや人件費の削減しかないという考え方の人が多い気がするが。

塚越寛:もしこれから経営をしようと思う人がいるならそれだけ慎重にならなければならない。10年、20年先を見る必要がある。私のような中小企業はこれから起業する人の参考になると思う。

村上龍:ブームに乗るのは良くないとあったが。

塚越寛:物が売れるという背景にはブーム、いわゆるトレンド。トレンドには絶対に乗ってはならない。トレンドを自分の力と勘違いするのではなく、自分の力を付けなければならない。

まだまだ攻める!新分野開拓!


小池栄子:歯の型を取るゲルもかんてんで出来ているようだが、かんてんも新しい使い道がこれからも出てくるのか。

塚越寛:かんてんを掘り下げるということは昔からやってきた。その方が経営としては上手く行く気がする。

村上龍:年輪経営とは地味で同じことの繰り返しではダメなのか。

塚越寛:踏襲は仕事ではない。常に変えなければならない。変えるというのは必ずしも先に変化していくのではない。原点に帰るということ。会社を作った頃まで戻らなければならない。これがイノベーションだと思う。

村上龍:本の中で「serendipity」という言葉が出てきたが。

塚越寛:当社では20数年前からその言葉を掲げていた。追い求めていたものとは違う結果が出るということ。これはダメだと捨てたらそれっきり。それを考える力が「serendipity」。

塚越寛:ファン作り。これが商売では物凄く大事なこと。そのためにいろいろなことをやっている。だからガーデンを開放したり、綺麗にしたり、あの会社が好きだと言ってくれる人を増やすためにやっている。利益だけを求めるとファンは減る。

塚越寛の名言 格言

塚越寛のプロフィール・経歴・略歴

塚越寛、つかこし・ひろし。日本の経営者。伊那食品工業会長。長野県出身。肺結核により高校を中退。
21歳のとき、働いていた材木会社社長から系列会社、
 伊那食品工業の社長代行に就任することを求められ同社に入社。
倒産寸前だった伊那食品工業を大きく成長させた。

主な著書に
 『いい会社をつくりましょう』
 『リストラなしの年輪経営』『幸福への原点回帰(共著)』など。

日本寒天工業協同組合理事長なども務めた経営者。
主な受賞歴に、科学技術庁長官賞(科学技術振興功績者表彰)、
 農林水産大臣賞(リサイクル推進協議会)、黄綬褒章、
 優秀経営者顕彰制度最高賞最優秀経営者賞(日刊工業新聞社)など。





全社一丸となった時こそ、会社は最大の能力を発揮できる。
[塚越寛の名言|

全社一丸となった時こそ、会社は最大の能力を発揮できる。]
成果主義や能力給では、会社の「和」は保てず、全社一丸となって事に当たるのが難しくなる。
[塚越寛の名言|成果主義や能力給の弊害]

自分一代で何かを成し遂げようとする思いが「野心」であり、
一代ではとてもできない大事業を次代につないでいく、祈りのようなものが「志」である。
[塚越寛の名言|野心と志の違い]

社員が、「以前よりも幸せになった」と感じられることこそ、本当の意味での会社の成長である。
[塚越寛の名言|本当の意味での会社の成長]

商売というのは、結局はすべて他人のためなんです。
自分を忘れて他人を利するということを徹底してやる会社が残っていく。
[塚越寛の名言|商売というのは、結局はすべて他人のため]

お客様は会社を好きになれば、値段が高い、安いに関係なく、その会社の製品を買うようになる。
だから会社のファンを増やそう。
[塚越寛の名言|会社のファンを増やそう]

経営においては、その業績が本当に自分や会社の実力なのか、
単に追い風によるものなのかの見極めが非常に大事。
[塚越寛の名言|経営者が見極めるべきこと]

会社が永遠に続くためには、ある程度の規模になったら成長を急ぐことはない。
[塚越寛の名言|会社が永遠に続くためには]

私は会社というものは生物と違って終わりがなく、永遠に続くことが大前提であり、また理想だと考えている。
[塚越寛の名言|会社は永遠に続くことが大前提]

人間というのは、追い風が吹くと、それが自分の実力だと思いがち。
[塚越寛の名言|人間というのは、追い風が吹くと、それが自分の実力だと思いがち。]

「人を幸せにする」という人間の原点にのっとった戦略を真心を込めて実行すれば、結果として成長につながる。
人間として、「利他」の精神を大切にしながら、日々努力すればいいのです。
[塚越寛の名言|「利他」の精神を大切にしながら、日々努力すれば成長できる]

経営者は、何が何でも自社の社員を守り抜くことを肝に銘じなければなりません。
私は、「社員を守らずして何が経営者と言えるか」という強い気持ちで、
 あらゆる面から社員を守る仕組みをつくってきました。
[塚越寛の名言|社員を守らずして何が経営者と言えるか]

一人の人間の人生において、たとえ小さくても周りの人を幸せにすることができて、
 感謝され、人に迷惑をかけず、さらに自分の好きなことを楽しむことができれば、
 その人は十分に成功したと言えるのではないでしょうか。
[塚越寛の名言|成功した人生とは]

進歩し続ける世の中にあって、現状維持は退歩しているのと同じです。
拡大主義という意味ではなく、地に足がついた状態で常に成長していくのは、
 企業にとって非常に重要なことだと考えます。
[塚越寛の名言|現状維持は退歩]

社員一人一人の成長の総和が、会社の成長である。
[塚越寛の名言|社員一人一人の成長の総和が、会社の成長である。]

重要なのは継続ですよ、継続。創業のころからずっと続けているから、
 環境整備も朝礼も生活のリズムになっているのです。
[塚越寛の名言・格言|重要なのは継続]

会社が永続することは社員や社会への貢献になります。
永続するためには、周囲の好意が必要です。
あそこはいい会社だね、と思ってもらわなくてはなりません。
庭園を開放し、毎朝、環境整備をやっているのもそのためです。
[塚越寛の名言・格言|あそこはいい会社だねと言われる活動を日々行う]

私は、この会社を社員と地域にとって理想郷にしたい。
そのためにも、これまで通り「末広がり」の経営を推し進めていきたいと考えています。
「末広がり」とは、閉塞感がない状態のことで、これによって社員にゆとりが生まれます。
ゆとりをもって生きることができれば、未来に対して希望を持ち、ボランティア活動をしたり、
 環境問題などにも積極的に取り組むようになる。
[塚越寛の名言・格言|会社を社員と地域の理想郷にしたい]

競争相手が多いところでは価格競争に巻き込まれてしまいますが、
 新しく用途開発したところは、同業他社が追いつくまでは全部うちのシェアですから収益性も高い。
中小企業の生きる道は、開発型企業になることだと、従業員の1割以上を開発要員にあてています。
[塚越寛の名言・格言|中小企業の生き残る道は、開発型企業になること]

私は常に会社の永続を目指すと社員に話しています。
会社が長く続くためには急成長は必要ありません。
屋久杉の年輪をご覧になったことがあるでしょうか。
年輪はものすごく細かいのです。屋久杉は低成長だからこそ、6000年も生きていられるのです。
会社も同じです。一年の成長が少ないほど長生きできるのです。
[塚越寛の名言・格言|会社を長く続けるためには急成長は必要ない]

ビジネスマンにとって必要なのは、自分なりの軸を持つことです。
いくら本を読んだり、勉強会に出ても、
 自分自身の軸が確立していなければ他人の意見やトレンドに流されてしまいます。
[塚越寛の名言・格言|自分なりの軸を持って、他人の意見やトレンドに流されないようにする]

人生にはつらいときや苦しいときがあります。
でもそんなときは「自分は小説の主人公なんだ」と思い込めばいいのです。
そして、「小説の中でいまはつらい時期だ。
しかし、この小説(人生)は必ずハッピーエンドで終わる」と考えれば、乗り切ることができます。
[塚越寛の名言・格言|つらいときは、自分が小説の主人公だと思い込む]

人間関係を良くするために何をするかと問われたら、答えはひとつしかありません。
それは利他ということです。
自分だけの利益を追求するのではなく、他人も一緒に幸せになろうということです。
私にとって利他の対象はまずは社員です。
[塚越寛の名言・格言|利他が人間関係を良くするための唯一の方法]

社員に対してこう言ったことがあります。
「うちもルイ・ヴィトンみたいなブランドになろうよ」。
みな怪訝な顔をして「そんなの無理ですよ」と返してきました。
私は再び問いました。
「どうして無理なの。
何も明日や明後日にヴィトンになるって話じゃない。
俺が死んだあとの社長でもいいし、その次の社長でもいい。
50年、100年かければできないことはない」と。
[塚越寛の名言・格言|50年、100年かければできないことはない]

会社として形になってきたのは責任者になって20年も経った頃です。
うちはほんの少しずつ成長して、いまのような形になりました。
[塚越寛の名言・格言|会社として少しずつ成長する]

部下を怒ることもあります。
しかし、それは仕事の成績が悪いといった理由ではありません。
そして、自分の感情に任せて声を荒げたこともありません。
叱責するのは怠慢に対してです。
何度も同じミスをしたり、約束を破ったり。
実際、そのような部下は少ないですが、そういった場合は机をたたいて怒ります。
[塚越寛の名言・格言|成績が悪いことは叱らなず、怠慢に対しては部下を叱る]

社員の自宅が火事で全焼したことがあります。
消防署から第一報が入ると、私はすぐに陣頭指揮に立ちました。
「第一班はすぐに駆けつけろ。状況がわかったら俺に知らせるんだ。
第二班は炊き出しの用意をして現場に急行すること。
そして、第三班は待機だ」と。
社員は火事の現場に駆けつけてきて、それぞれ着るものや家具をカンパしました。
会社は被災した社員に建て替え資金を貸し出しました。
利息は一切取りません。
家事に限らず、私は困っている社員がいれば、何でも面倒を見ます。
そして、約束したら絶対に守る。
この50年間、それを続けてきました。
[塚越寛の名言・格言|社員と会社で助け合う]

機械はカタログに書いてあるスペック以上の仕事はしません。
しかし、人間はやる気になったらやる気のない人の3倍くらいは働きます。
人間は頭を使うから、自分で工夫して仕事の能率を上げていきます。
[塚越寛の名言・格言|人間はやる気が出れば3倍は働く]

うちは「仕入れ先を大切にする」「町づくりをしっかりやる」といった決め事が10か条あります。
その精神は、公を意識しながら会社を運営していくことの大切さです。
公を意識することは、すなわち自分自身の行動を客観的に眺めることにつながります。
経営者や上司が公の意識を持ち、大きな視点で行動していれば、おのずと社員たちとの付き合い方にも節度が出てきます。
[塚越寛の名言・格言|会社として公を意識する重要性]

時間をかけることに対しては、人は鈍感です。
目標を達成するには時間軸を長くとって、自分の未来に自信を持てばいい。
そうすればたいていのことは実現できます。
ただし、目標の達成は未来のことでいいけれど、着手は今すぐでなくてはならないのです。
[塚越寛の名言・格言|目標を達成するには、時間軸を長くとって、いますぐ着手する]

会社の成長というと世間一般では売上高が増えることと考えています。
しかし、我が社の定義は違います。
仮に売上高が同じでも、適正な利益があり、
 その利益を正しく使って外部の人も社員も「自分は成長した」と実感できれば、それが成長です。
キザな言い方ですが、社員全体の幸福度の総和が大きくなっていくことが当社の成長なのです。
[塚越寛の名言・格言|自社の「成長」の定義を明確にする]

父が早くに亡くなり、母が子供5人を抱えて働いました。
貧乏暮らしだったことに加えて、私は17歳で結核にかかり、3年間病院で寝ていた。
逆境にいたから人の痛みはよくわかります。
社員たちの態度がすぐに変わらなくても、自分が相手に対して愛情を示し続けていればいいと思っていました。
[塚越寛の名言・格言|逆境にいたから人の痛みはよくわかる]

家族のように思うといっても、
 私は特定の部下と飲みにいったりはしないし、
 社員の結婚式にも極力、出ないようにしています。
全員の式に出席するのは不可能だからです。
加えて、
当社では部下は
 上司に贈り物をしてはいけないと決めています。

逆に上司が部下におごったり、
 プレゼントするのは大いに結構。
どんどんやりなさいと言ってあります。
[塚越寛の名言・格言|部下から上司への贈り物は禁止。上司からのプレゼントはどんどんやれ]

一般の会社だと、社員持ち株会などをつくって、株をわけたりします。
そかし、それくらいのことでは、
社員は会社を家庭だとは思いません。
そこで、ま
ずは情報を共有することにしました
当社では幹部だけが知っている数字などありません。
製品をどれだけ売って、どれだけ儲かったかは社員なら誰でも知っています。
また、リストラをやったことはないし、これからもしないつもりです。
給料も地元では高い方です。社員旅行も、一年おきに海外へ出かけています。
万が一、社員や家族の身に何か起きたら、私が完全に面倒を見ます。
[塚越寛の名言・格言|会社をひとつの家庭にする]

社員のやる気を引き出すのに、具体的に何をすればいいのか考えた末に、ひとつの答えを出しました。
やる気を出すには、
 社員に「これは自分の会社だ」と思わせればいいのです。

社員が自分のうちのように感じる会社にすればいいのです。
たとえ会社ではダメ人間でも、うちに帰れば立派なお父さんだという人はたくさんいます。
金を稼いで、家庭を守り、子供の面倒を見る。
家族を守ることに手を抜く人間はいません。
それは「家族は自分のもの」と思っているからです。
[塚越寛の名言・格言|社員のやる気を引き出すには、社員に自分の会社だと思わせること]

会社を強くするものは何か、経営者としてずっと考えてきました。
出た答えは、「社員のやる気を引き出すこと」でした。
やる気を引き出すことさえできれば会社は強くなります。
[塚越寛の名言・格言|会社を強くするには、社員のやる気を引き出すこと]

私は社員にこれこれこれだけの成果を上げろと、売上げなどの目標設定は一切しないんです。
そのかわり、礼儀作法には口うるさい。
例えばスーパーなどへ駐車するときは、
 決して入り口の近くに駐車するな
 できるだけ遠くにおけ、といつも言ってます。
入り口の近くに駐車してしまうと、
 体の弱い人やお年寄りなどが
 入り口から遠くに
 車を止めなければならないでしょう。

社員に会うたびに口酸っぱく言うものだから、
 みな私の顔を見ると「ちゃんと遠くに止めています!」とこちらが聞く前に返事をする(笑)。
まあ、きっと実践してくれていると思いますよ。
[塚越寛の名言・格言|売上目標よりも、礼儀作法に口うるさくする]

当社は、地域に根を下ろした企業活動をこれまで続けてきたし、
 これからもそうありたいと思っています。
東京には支社はつくっても、本社はこの伊那から動かすつもりはありません。
地元にかわいがってもらって育ってきたのだから、
 地元に税金を納め、雇用をつくりだすことも企業の務めだと思っています。
効率だけを考えて、地方の会社が東京に出て行くけれど、それは違うと思います。
[塚越寛の名言・格言|地元に税金を納め、雇用をつくりだすことも企業の務め]

千載一遇のチャンスを棒に振ったとするコンサルタントもいるかもしれませんが、
 急成長してダメになる例をたくさん見てきました。
規模を拡大して価格競争に巻き込まれるよりも、もっと大切な売り方や販売ルートがあるだろうと考えたのです。
結果的に、「カップゼリー80℃(エイティー)」は贈答品や土産物などで全国的な人気商品になり、
 「かんてんぱぱ」ブランド商品を通信販売する会員システムにつながっていったのです。
[塚越寛の名言・格言|急成長して駄目になる例をたくさん見てきた]

儲けを法人税で納めるのも、社員の給料から所得税として納めるのも、国庫に入るお金という意味では同じ。
利益も成長も、会社の目的ではなく社員の幸福を実現するための手段にすぎないんですから。
会社の身の丈に見合ったゆるやかな成長を続けていけば、
 社員も取引先もみなハッピーで、リストラしたり、仕入価格を叩くといった無理をしなくてすむわけです。
[塚越寛の名言・格言|社員も取引先もハッピーになれる身の丈に合った緩やかな成長を目指す]

昭和33年の設立以来、連続増収を続けてきましたが、
 これを維持できているのは、無理をせず、ゆるやかに成長してきたからだと思います。
急成長しようとすると、どうしても無理な投資をして、
 それを回収するために、大量に人を採用して、必死になって売上高を伸ばそうとする。
けれど、業績が悪くなると一転、リストラをして人件費を削ろうとする経営者が多い。
私はこういう経営は間違っていると思います。
[塚越寛の名言・格言|急成長の長所と短所]

開発担当者には寒天の基本物性にとらわれずに、
 そこからどれだけ逸脱できるかを常に視野に入れろ、と言っています。
たとえば寒天は固まる力があるというのは常識で、強度が低くて固まらないものはこれまでは失敗作だった。
でも、固まらない特性を持ったものを連続して製造できる技術力があれば、それは新しい可能性を秘めているはずです。
この寒天の凝固力を抑えた「ウルトラ寒天」は、
 現在化粧品のファンデーションや口紅などに使われています。
今後は医薬品の分野も有望ですね。
[塚越寛の名言・格言|開発に必要なのは、常識をどれだけ逸脱できるか]

人はテクニックでは動かないんです。
いろいろ考えてみましたが、「やる気がおきる会社」にするには、
 「自分の家と同じように思える会社」をつくることだろうと。
誰だって、自分の家のことなら一所懸命になるはずでしょう。
そうみんなに思ってもらうためには、ただ単に利益を上げればよいというのではなく、
 社員みんなのための会社づくりが重要であると考えたわけなんです。
[塚越寛の名言・格言|人はテクニックでは動かない]

「会社は経営者や株主のために存在するのではなく、
 いっしょに苦労してくれた仲間たち全員のもので、
 会社は社員の苦労に報いるために発展し、
 利益を上げる必要がある」という思いが強まっていきました。
こうして、
 「会社の発展を通じて、
 社員がみな幸せになり、
 社員の幸せを通じて社会に貢献するべきだ」
という、
 私の経営に対する基本的な考えができあがっていったのです。
[塚越寛の名言・格言|会社の発展を通じて、社員がみんな幸せになり、社会に貢献すべき]

現在の日本は閉塞感に満ちています。
増税は来る、年金は減る、景気の見通しもよくない、こういう先細りの時代は、国民が幸せ感をもつことができない。
多くの企業が利益や効率だけをモノサシにして、会社をマネーゲームの道具のようにしてしまったことが一因だと思います。
巷では電光石火のように判断する経営者をもてはやす風潮がありますが、そうじゃないと思います。
[塚越寛の名言・格言|経営はマネーゲームではない]

クルマで通勤する社員には、
 本社の施設に入るときに右折するなとも言っています。
朝の通勤時間の渋滞というのは、右折車があることが大きな原因ですから、
 遠回りになっても左折して会社にたどり着けと。
こんなふうですから、みんな正義感は強いと思います。
「溝にタイヤがはまったら、親切に助けてもらった」などという礼状が時折私宛に届くからわかるんです。
自分が誉められるよりも嬉しいですね。
[塚越寛の名言・格言|社員の正義感を育てる]

いまの若い世代が
本当に欲しいと思っているのは
 和やかな人間関係の中で、
 自由にのびのびと自主的に働ける職場環境だと思います。

この環境についてはどこにも負けないと自負しています。
[塚越寛の名言・格言|自由にのびのびと自主的に働ける職場環境をつくる]

この社是「いい会社をつくりましょう」を掲げたのは、
 いまから10年ほど前になりますが、
 会社を任された当初から、いい会社をつくりたいという思いは常に持っていました。
目先の利益を追い求めるのではなく、
 長期的な視野に立って会社を運営していこうと考えていました。
それが企業の陣容が次第に整い、ようやく目指す姿を描きやすくなってきたということです。
[塚越寛の名言・格言|いい会社をつくりましょう]

結果として利益が拡大することはあります。
でも、過大な目標を掲げて成長を追い求めることはいましめています。
例えば、家庭向けの粉末寒天の「かんてんぱぱ」ブランド商品は、
 長野県と山梨県の一部でしか店頭販売していないのですが、
 昭和56年に販売を始めた「カップゼリー80℃(エイティー)」が人気を呼び、
 大手スーパーから全国の店頭に並べたいという申し入れがあったんです。
私は、そのお誘いを断わることにしました。
全国供給に応えられる態勢にないのに、ブームにのって規模を拡大させては、
 商品の寿命が尽きたときに業績が落ち込むと考えたからです。
[塚越寛の名言・格言|あえてブームに乗らないという選択]

かねがね私は社員の人件費は
 はたして「人件費」という「コスト」なのか疑問に思ってきた。
人件費は、幸せを求めて働く社員たちへの労働の対価であって、
 削減すべきコストではないはずです。
家内工業を思い浮かべてみるとわかりますが、
 社員に分配する人件費を稼ぐために一生懸命働いているでしょ。
それが企業が大きくなると、コストだから減らせというのはおかしい。
[塚越寛の名言・格言|人件費とはコストなのか]

風林火山

風林火山


 攻めるべき時には
  風のようにすみやかに襲いかかりましょう。

 (速きこと風の如く)


 準備を整え、
  機会の来るのを林のように静寂整然と待ちましょう。
 
 (徐(しず)かなること林の如く)


 いざ侵攻するときは、
  火のように熾烈に戦います。

 (侵略すること火の如く)


 一度動くまいと決心したら、
  敵に挑発され攻め立てられても、
  山のように落ち着いて、
  自陣を堅守しなくてはいけません。

 (動かざること山の如く) 

続きがあります

味方の進退や駆引は、
 影にあるものがわかりにくいように、
 敵に察知されにくくします。

 (知り難きこと陰の如く)

兵を動かすとなると、
 雷が鳴り渡るように猛烈果敢、
 全力をもって敵に突進しなくてはいけません。

 (動くことライテイの如し)

人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり

人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり
 ひとはしろ、ひとはいしがき、ひとはほり、
  なさけはみかた、あだはてきなり

信頼できる「人」は
 「城」にも匹敵する

武田信玄(たけだ しんげん)
 1521年~1573年戦国時代の武将。
 上杉謙信と繰り広げた「川中島の戦い」が有名。


戦国最強と謳われた信玄率いる武田軍。
彼らは堀一重だけの、
 城と呼ぶには小さな館に居を構えていました。

信玄は、
 信頼できる「人」の集まりは、
 強固な「城」に匹敵すると考えていたそうです。

ただし、

「人」は、
 
情をかけると
 味方になる


不信感を与えると
 敵になる

  
と戒めてもいます。

また
 「信頼してこそ、
  人は尽くしてくれるもの」

 という言葉も残しています。


信じてほしいなら、
 自分から先に相手を信じなければならない


信玄は
 積極的に「人」に話しかけたそうです。

しかし、
 信じた分だけリスクが高くなるのが世の常、
 戦国時代に裏切られる代償は現在の比ではありません。

信玄ほどの権力者なら、
 リスクを避け、
 恐怖で「人」を服従させることもできたはずです。

それでも信玄は、
時に頭を下げ、
 自分から先に「人」を信じようと
 心がけたそうです。

この姿勢に、
 周りの「人」のモチベーションが
 上がらないわけがありません。


信玄の人柄を慕って大勢の猛者が集まり、
 天下一の軍団が誕生します。

彼らの強みは、
冷たい戦国時代における
 温かい信頼関係だったといえるでしょう。



さておき・・・、
現代にも「企業は人なり」という言葉があります。

戦国時代の軍団も、
 現代の企業経営も「人」の集団であることは変わりません。

「人」は
体温が低いと抵抗力が落ち、
 病気にかかりやすくなります。

集団も同じで、
 低体温だと
 外圧や内部の相互不信という病に蝕まれていきます。

「人」の会話からは
 熱が生じ、
 表情から温もりを感じ合い、
 集団は活性化していきます。


その反面、
例えば
メールは
 とても便利ですが、

無機質なテキストからは
 どうしても温もりが伝わりにくく、
 それだけでは
 集団の平熱は下がってしまいがちです。


現代の名将、
 松下電器産業創業者の松下幸之助(※1)はこんな言葉を残しています。

「経営者にとって大事なことは、
  何と言っても人柄やな。
結局これに尽きるといっても、
 かまわんほどや。
まず、
 温かい心というか、
 思いやりの心を持っておるかどうかということやね。」



熱をもった自分の言葉で語り、
 自分から相手を信じられる経営者の周りには
 信頼できる「人」が集まってきます。

逆に最近では、
 いつも黙っていて、
 直接部下に伝えればよい不満等を、
 せっせとブログやツイッターに書き込んで、
 なぜか全世界へ向けて発信してしまう経営者もいます。

「人」を信じられない経営者に、
 信頼できる「人」は集まらないでしょう。


冷静に費用対効果を図る企業経営の中にも、
 温かい心が通っていなければ
 「人」は「城」にはなりません。


これは
私たち一人一人の信頼関係にも通ずることで、
 信玄の言葉が
 時代を超えて愛され続ける理由ではないでしょうか。

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