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動詞で表現する

言いたいことを
 うまく伝達したり理解したりするための方法


気持ちの言い表し方

子どもに作文を書かせると、
 自分の気持ちを表すのに

 「うれしかったです。」
 「楽しかったです。」

 などの表現を繰り返して使うことがよくあります。


何かを買ってもらっても、
 人にほめられても、
 いつも「うれしかったです。」

 では、大ざっぱな気持ちしか伝わりません。

「それではだめだ、
 どのようにうれしかったか書きなさい。」と注意しても、

どうすればいいか分からない子が多数派です。

 「すごくうれしかったです。」などと書き直すのが落ちです。

これは、
子どもが多くの表現を知らないせいもあります。
しかし、
もっと根本的なことを言えば、
 
形容詞を使って
 気持ちを表現しようとすること自体に
 限界があります。



形容詞の数は多くない
日本語の形容詞のうち、
 「~しい」で終わるものは、
 それほど数が多くありません。

ためしに、
いいことがあった時の気持ちを
 「私は○○しかった。」の形で表してみましょう。


この場合に使えることばとしては、
 「うれしい」
 「楽しい」
 「なつかしい」
 「喜ばしい」

 などを含めても、
 せいぜい数個にすぎません。

一方、
悪いことがあった時の
 気持ちを表す形容詞は

 これよりやや多く、
 「悲しい」
 「怖ろしい」
 「わびしい」
 「恥ずかしい」
 「くやしい」
 「ねたましい」
……などがあります。

われわれは
負の感情に注意することが多いせいでしょうか。
とはいえ、これもやはりたかが知れています。

つまり、
形容詞に頼るかぎり、
 自分の気持ちをきめ細かく表すことは
 できないと言っても言い過ぎではありません。



動詞のほうが具体的
気持ちを表すときに効果的なのは、
 形容詞よりもむしろ動詞です。


つまり、
 「見ました」
 「来ました」など、
 
「○○ました」と言う時の
 ○○にあたることばです。


形容詞の数が比較的少ないのに対して、
 動詞は数が多く、
また、
より具体的に表現することができます。


たとえば
「流れる」という動詞は、
 その状況によって
 「流れ出す」「流れこむ」「流れ始める」「流れ続ける」「流れやむ」などと形を変え、

 いろいろな様子を表現し分けます。


形容詞である
 「うれしい」は、
 このように使い分けることはできません。

また、
「流れる」の前にたくさんの語句をつなぎ
 くわしく表現することもできます。


 「涙が・目から・流れる」
 「ほおに・流れる」
 「ほおを・流れる」
のように

 「が」「に」「を」「へ」「から」
 などをつけて並べてゆくことで、
 描写がより具体的になります。


同じことを形容詞の
 「悲しい」でやろうとしても不可能です。



感情表現に「○○ました」を
 気持ちを動詞で表すというと、
 奇妙に聞こえるかもしれません。

動詞は動くものを表すことばであって、
 人の気持ちを表すことはできないように思われます。
しかし、
感情の起伏というものは、
 まぎれもなく動きの一種です。


そして、
心の動きは、
 泣く・笑う・驚くをはじめとして、
 外見の動きを引き起こします。
感情を表現するにあたって、
 動詞を使わない理由はないのです。

「悲しかったです。」と形容詞を使って言うより、
 「いくらこらえようとしても、きつく閉じたまぶたから涙がいく筋も流れ出ました。」
 と動詞を中心にして言うほうが、
 その場に合ったきめの細かい表現ができます。
気持ちがよりよく伝わります。

「動詞」「形容詞」とむずかしく言わなくても、
 要するに、
 言い終わりを「○○ました」
 にすれば動詞を使った表現になります。


気持ちをうまく表現できないときは
 「○○ました」を使う、
 ということを覚えておけば、
 思いをうまく伝える文章が書けます。


(早稲田大学非常勤講師 飯間浩明)
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