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ニホン、ニッポン、どっち?

1934年の文部省国語調査会でついに
 <ニッポンを正式呼称とする>
 という案が議決されました。

もっともこの案が法律に制定されるには
 当時の日本は忙しすぎ、
 そのまま放置されて現在も依然として2本立てで使用されています。

日本人は、
 なんとなく両者を使い分けているようです。


たとえば
 公の部分が大きいほど
  ニッポンが幅をきかせます。


 ニッポン銀行、
 ニッポン放送協会、
 大ニッポン帝国憲法のように。

また
 演壇上で愛国心について云々したりするときは、
 ついついニッポンと促音で発音してしまうようですね。

ただし、
 最近では、
 ニッポンはやや敬遠されており、
 辞書でニッポンをひくと「→ニホン」という具合になっています。

それにしても、
 なぜわたしたち日本人は、
 この国号呼称の2本立てに平気でいられるのでしょうか。

丸谷才一さんの説はこうです。
「ひとつのコトバに2とおりの発音があってもさしつかえないのではないか。

 やっぱり
 やはりに

 したって両者併用でしょう。」

 たしかにそうです。

 あいそう
 あいそ(愛想)

 えこじ
 いこじ(依怙地)

 しこう
 せこう(施行)

 とその例はすこぶる多い。

標準日本語の守護神と目される
 NHKにメールで質問したところ、
 返事がきた。

その全文をご紹介しよう。


○○×× 様
いつもNHKのニュースや番組をご覧いただき、ありがとうございます。
早速ですが、お問い合わせの件についてご連絡いたします。
NHKでは「日本」の付く語につきまして、つぎのように使用しています。

(1)「日本」

 正式の国号として使う場合は、
  [ニッポン]。

 そのほかの場合には
   [ニホン]
  と言ってもよい。


(2)「日本~」「~日本」

○[ニホン]と読む語
 日本画 日本海 日本海溝 日本海流 日本髪 
 日本共産党 日本紙 日本酒 日本書紀 日本大学 
 日本脳炎 日本橋(東京) 日本風 日本間 
 日本霊異記 日本料理 東(西)日本

○[ニッポン]と読む語
 日本(国号) 日本永代蔵 日本国 日本国民 
 日本賞 日本橋(大阪) 日本放送協会 日本社会党(旧政党名)

○[ニホン]または[ニッポン]と読む語
 日本一 日本記録 日本犬 日本語 日本三景 
 日本時間 日本製 日本男子 日本刀 日本晴れ 全日本

○[ニホン]を第1とし,[ニッポン]を第2とするもの
 日本アルプス 日本銀行

以上参考になさってください。
今後とも、NHKをご支援いただけますようお願いいたします。
お便りありがとうございました。




打ち眺めるほどに、興味のわく分類リストである。
井上ひさしさんが直感したとおり、
 対外的に胸を張る場合は
 ニッポン、

 内向きニホン情緒をたたえる場合は
 ニホンと、

 使い分けされているように見える。

なるほど、
 日本脳炎は「ニッポン」などと胸を張るコトバでもないようだし。

お札にニッポンを謳いながら、
 実はニホン銀行を優先するところなどは
 日本銀行の内外での微妙な立場を象徴しているようにも見えておもしろい。

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「お礼」と「御礼」

「お礼」と「御礼」
「ご依頼」と「御依頼」などの使い分けは?
 
「お」と「御」の使い分けに関しては、
 特に決まりがあるわけではありません。

ただし例外的に
 
官公庁などの公用文に関しては
 特別に決まりがあります。


例えば
「案内」が
 漢字の場合は
  「御案内」
と書き (原則として)

「しらせ」のように
 ひらがなの場合は
 「おしらせ」
とするようになっています。

もちろん
 一般の文書に関して
 このような取り決めはありません。


官公庁の例を参考にすると、
 後ろの語が
 ひらがなか
 漢字かで使い分けることになりますが、

相手や場面によっては
 「御」を多用するとかえって
 慇懃無礼に思える

 場合もありますから注意が必要です。

※いんぎん‐ぶれい【慇懃無礼】
[名・形動]
 表面は丁寧で礼儀正しいように見えるが、
 実は尊大で無礼なこと。


ビジネス文書などの場合、
 基本的には「御」を用いて、
 
あまり堅苦しくしたくない場合
「お」を用いる


 というのが無難かもしれません。

このあたりは
 規則や規範というよりは
 会社・団体の方針や個人の裁量ということになるでしょう。

「にぎる」と「つかむ」はどう違う?

「にぎる」と「つかむ」はどう違う?
 
試みに辞書で二つの動詞を引くと、

「握る」は
 「物をつかむ」のように、

「掴む」は
 「物を握りもつ」

 のように説明されており、
  堂々巡りにいきあたってしまいます。

「握る」「掴む」はどちらも、
 「物を手に持つ」点では共通していますが、
 「物を手に持つ」という行為の

 どこに視点を置いているかという点において異なっているようです。

「物を手にも持つ」という一つの行為は、
 対象に手を伸ばし、
 対象に触れ、
 五指を曲げて、
 指に力を入れるという一連の流れに分析可能です。

「握る」と「掴む」を比較した場合、
 「
掴む」が
 「五指を曲げる」ところまでに視点を置き、
  そこまでの動きに焦点をあてているのに対して、

「握る」は
 「指に力を入れる」という部分に視点を置き、
 焦点をあてていると考えられます。

ことわざ
 「溺れる者は藁をも掴む」
 を例にとると、
 この違いがよくわかります。


「藁をも掴む」の部分を
「藁をも握る」とすると、

 藁にかけた指に力を込めるという部分に焦点があてられ、
 藁に手を伸ばすという動きが読みとれず、

このことわざの
 謂わんとしているところが理解できません。

「握る」「掴む」にこのような違いがあるため、
 
比喩的に
 物事の達成についていう場合には
 必ず「掴む」が選ばれます


 「チャンスを掴む」
 「富を掴む」
 「神髄を掴む」


物に指をかけるまでの動きが、
 物事を達成する過程に見立てられているわけです。

一方、
「握る」が
 比喩的に用いられる場合というのは、
 既に手中にあるものを制御するという意味となります


 「主導権を握る」
 「成功へのカギを握る」
 「未来を握る」

「大切」と「大事」はどう違う?

「大切」と「大事」はどう違う?
 
「大切(だ)」と「大事(だ)」は、

 次の例に見られるように、
 ほぼ意味の変化なく入れ換えることが可能です。

  僕にはお金より自由が 大切だ/大事だ。

 このように、「大切(だ)」と「大事(だ)」は、
  「大事に至る」のように用いられる場合を除けば、
  現代日本語においてその意味するところが大きく重なっており、
  類義語として差し支えないかと思われます。

「大事」は、
 その訓読みからも推察されるとおり、

 もともと
 「重大な事柄」
 「重大な事件」という意味に用いられました。


 用例としては、
  聖徳太子の時代の憲法十七条にまで遡ることができます。

 この意味から、
  しだいに
 「軽んじられないもの」
 「かけがえのないもの」

 というような意味で用いられるようになりました。

一方の
「大切」は、
  「切」が「切に」「切迫」などに用いられることから
  ご理解いただけるかと思いますが、

  「大いに切なること」、
 すなわち
  「さし迫っていること」
  「緊急を要すること」という意味の語でした。


この意味で用いられている用例は、
 今昔物語、
 さらにそこから数十年遡って見ることができます。

これが、
 その物事を重要視するという意味を経て、
 現在の意味に定着したものと考えられます。

「ありがとうございました」は「ありがとうございます」が正しいのでは?

感謝するのは現在なので、
 「ありがとうございました」は
 「ありがとうございます」が正しいのでは?
 
「ありがとうございました」は、
 「ありがたかった」の丁寧形です

 (「ありがたかった」+「ございます」
  →「ありがたくございました」+ウ音便化
  →「ありがとうございます」)。

ですから、
 「先日はわざわざお越しいただきましてありがとうございました」は、
 「先日わざわざ来てもらったことはありがたかった」と言っているわけです。

この場合、
 「先日はわざわざお越しいただきましてありがとうございます」
  と述べることも可能ではありますが、

 「先日」「先ほど」「先だって」など、
  過去の時点を表す表現が現れたときには、
  
やはり
 「ありがとうございました」と
  過去形にするほうが自然なように思われます。


相手が過去に行なった行為への感謝は
 「ありがとうございました」、

直前に行った行為への感謝は
 「ありがとうございます」が原則でしょう。


これは
「わざわざお越しいただきましてありがとうございました」と
「わざわざお越しいただきましてありがとうございます」を比べた場合、

 より明確に感じられます。

「わざわざお越しいただきまして」の部分は同じですが、

前者では
 それが過去において行われた相手の行為を表しており、

後者では
 直前に行われた相手の行為を表しています。

しかし、
 現実にはこの違いを利用して、

「ありがとうございました」
  を用いることが期待される場面で
「ありがとうございます」
  を用いることがあります。


相手が過去に行った行為に対して敢えて
 「ありがとうございます」を用いることによって、

それを
 「ありがたい」と思う気持ちが

 現在においても変わらないことが表現できる、
  という意識が働いているように思います。
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