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光(ひかり)漢字一文字の美しい日本語

2012年05月24日 [美しい日本語(言葉)]

人がそれがなければ絶対に生きられないものは、何でしょうか。

まず最初に想い浮かぶのは「光」です。
光は陽光である場合もあり、また心の希望を示す言葉でもあったりします。

「光」という言葉ほど、
 強く、そして美しい日本語はないかもしれない。

20代の後半、私は週末になると沢を独りで歩いていました。
山に出かけ、渓流に沿ってい歩いてゆくだけです。
あの頃、自分は何を考えながら、
 渓流の音を聴き、陽光を受けて輝く、
 青葉若葉を見つめていたのか……今となっては明確に想い出すことはできません。

青春期の終わりを感じつつ、孤独をかみしめるように、歩いていたのだと思います。
あの頃、密かに憧れているものがありました。

それは一文字の言葉です。

「水」「土」「花」「星」「木」「森」「風」……そして「光」。

人が人として生きるために、
 どうしても必要な……いや、
 人がどうのこうのというのではなく、
 この世にあるということを示す、
最少体としての言葉、元素のような記号に心惹かれていました。

余計な装飾を排除した、
 存在証明を想わせる一文字の象形だけが、
 信じられる気がしていたのでしょう。

では、今はどうか? 

やはり「光」は私にとって特別な存在であることに変わりはありません。

心の中に「光」が見えるかぎり、歩き続けられる。
「花」を自在に想い描けるし「風」の色を見ることもできる。

今一度、原子の輝きを示す一文字の世界へ。
原初的なおののき、
 それを感じていた時に帰りたい気持ちが強くなっています。
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「ありがとう」は美しい日本語ベスト10の1位

2012年06月29日 [美しい日本語(言葉)]

以前、
 日本語の中で最も美しい言葉とは?

という記事を書きましたが、
 その中で「美しい日本語ベスト10」をご紹介しました。

もう一度、
 それを見てみましょう。

以下は、NHKアンケートの結果です。

「ありがとう」
「さようなら」
「はい」
「すみません」
「おはようございます」
「さわやか」
「いらっしゃいませ」
「おやすみなさい」
「どうぞ」
「いいえ」


美しい日本語の多くは
 「あいさつ言葉」であることに気づきます。

例えば
 「ありがとう」は1位になっていますが、

これに異議を唱える人は少ないのではないでしょうか。

美しい「あいさつ言葉」は、
 暮らしの潤滑油。
人と人との関係を良好に保つのです。

暮らしの潤滑油といえば、
 言葉ではありませんが、
 「微笑」があげられます。

誰もが美しい笑顔で「ありがとう」が言えたら、
 人と人との争いなどは起きないでしょう。
逆に言いますと「ありがとう」が美しく感じるのは、
 なかなか心からの「ありがとう」は言えないし、
 聴けないからかもしれません。

「ありがとう」という言葉には
 「友愛」「平和」への
 悲願が込められていると言えそうです。


作家の吉川英治氏は、
 若い頃はかなり気性が荒かったそうですが、
 晩年は笑顔を心がけたとか。
そこには吉川英治氏の人生観、
 深い人間愛が息づいているように思えてなりません。

水の八徳(日本語の豊かさの証明1)

2013年06月01日 [美しい日本語(言葉)]

「水の八徳(はっとく)」という言葉をご存知でしょうか。

「八徳」を大辞林で調べますと、
 以下のように出てきます。

八徳(はっとく)

 八種の徳。
 仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の八つ。


では「水の八徳」はといいますと、
 次のようになります。

水の八徳

一に清浄
二に清冷
三に甘美
四に軽軟
五に潤沢
六に安和
七に除悪
八に増益


実は、
 この「水の八徳」という言葉の出典がよくわかりません。
私の愛読書である
 「吉川英治氏におそわったこと」に出てくる言葉なのです。

仏教の言葉である
 「八功徳水(はちくどくすい)」から来ているのでしょう。
大辞林には以下のように記されています。

八功徳水(はちくどくすい)
 〔仏〕〔「はっくどくすい」とも〕浄土や須弥山の七内海中の水。
 〔八功徳は、良い水の一般的特質を八つにまとめたもの〕


また、
 世界宗教用語辞典によれば、
 以下のような解説があります。

はっくどくすい 【八功徳水】

仏教でいう八つの優れた特質を持つ水で、
 極楽の池や須弥山の周りの七内海に満たされているとする。

1甘(甘い)、
2冷(冷たい)、
3(やわらかい)、
4軽(軽い)、
5清浄(清い)、
6無臭(くさくない)、
7飲時不損喉(のどを痛めない)、
8飲已不傷腹(飲み已って腹を痛めない)

 などの八つだが、
 別説もある。


まあ、
 この言葉にある深い意味はともかくとして、
 私が驚いたのは、
 水というものを、
 実に豊かに表現していることです。
水に関する説明なり、
 解説なりで、
 これほど味のある表現は読んだことがありません。

と同時に、
 日本語の豊かさに、
 おもわず、
 ため息がもれそうになってしまいました。

「酒の八徳」という言葉もありますよ。
こちらも、実に豊かです。

酒の八徳(日本語の豊かさの証明2)

2013年06月03日 [美しい日本語(言葉)]

前回は「水の八徳」について、お伝えしました。
今回は「酒の八徳」ですよ。
さらに、
 日本語の豊かさに酔いしれてしまうことでしょう。


「吉川英治氏におそわったこと」には
 「酒の八徳」について、
 以下のように書かれています。



盃にそそがれた時のイロミ

盃を手にとった時のオモミ

唇に近づけた時のカオリ

口に入れた時のヌクミ

口いっぱいひろがるフクミ

のどを通る時のゴクリ

身体全体につたわって行くホロリ……

実に、ニュアンスが微妙で、豊富ですよね。

様々な情報が飛び交う現代ですが、
 中身は貧困なものが多いように感じます。
情報はあふれかえっているのに、
 コンテンツは貧弱になってゆく時代は不幸だと言えそうです。

せめて「水の八徳」「酒の八徳」を思い返し、
 日本語の豊かさを噛みしめ、
 豊かな明日について、
 考えてみたいと思うのであります。

宵のうち

宵のうち…は何時頃のこと?情趣ある言葉が消えてゆく?-

<気象庁ではこのように表現しています>
(時刻) (用語) (今後使用される用語)
00時~03時 「午前3時頃まで」  → 「未明」
03時~06時 「明け方」  
06時~09時 「朝のうち」      → 「朝」
09時~12時 「昼前」  
12時~15時 「昼過ぎ」  
18時~21時 「宵のうち」      → 「夜のはじめ頃」
21時~24時 「夜遅く」  
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