中日春秋

2012年4月11日

駅や飲食店などのトイレには
 清潔に使ってもらおうと、
 張り紙がある。

ありふれているのは、
 「きれいに使いましょう」
 「もう一歩前に」

 などだろう

▼最近、よく見掛けるようになったのは
 「きれいに使っていただき、ありがとうございます」という表現だ。

 遠回しだが、
  汚しちゃいけないと、
  用を足すにも集中力が高まる気になるから効果はあるのだろう

▼「言葉を覚えて一番嬉(うれ)しいのは、
  直接相手に
  『ありがとう』
  と言えるようになったことです」。


 脳性まひなどの病気を抱え、
  十三歳の時の気管切開を機に
  筆談を身に付けた
  仙台在住の詩人大越桂さん(23)は、

 詩集『花の冠』にそう書いている

▼<小さな小さな種だって
 /君と一緒に育てれば
 /大きな大きな花になる>。


 被災地からの祈りのこもった詩は、
  野田佳彦首相が国会の所信表明演説に引用した。
 
 この詩集にあるのが
  「ありがとうの行き先」という詩だ

▼<ありがとうの行き先は
 /ありがとうが旅をして
 /必ずここにもどるとき
 /みんなと一緒の
 /幸せがある
 /ありがとうに
 /ありがとう>。

 感謝の気持ちは、
  巡り巡って戻ってくるような気がする


▼夫婦円満の秘訣(ひけつ)は
 「ありがとう」という言葉だと聞いたことがある。

 お互いに
  やってもらって当然と思っていると
  いつか心はすれ違ってくる。

 照れくさいけれど、
  婉曲(えんきょく)的にではなく、
  ありがとうと伝えてみたい。

※えん‐きょく【婉曲】-日本国語大辞典
 表現のしかたが遠回しで、
 穏やかなさま。
 角立たないで、やさしく言い表わすさま。
スポンサーサイト

…「ありがとう台湾」広告

つぶやきに6千人賛同…「ありがとう台湾」広告
   読売新聞 5月5日(木)19時37分配信
  
日本の有志が台湾紙に掲載した震災支援の感謝広告=源一秀撮影

【台北=源一秀】3日付の台湾大手紙
 「自由時報」「聯合報」に、
  日本のネットユーザー約6000人が
  東日本大震災の義援金などに対する半ページの感謝広告を掲載した。

日本語で「ありがとう、台湾」、
中国語で「愛情に感謝します。永遠に忘れません」
 とメッセージが書かれている。

日本政府は
 米国、中国、韓国などの大手7紙に
 震災支援感謝の有料広告を出したが、

約160億円もの義援金が集まった台湾は含まれていなかった。

川崎市のフリーデザイナー、
 木坂麻衣子さん(37)が簡易投稿サイト「ツイッター」で
 「台湾にもお礼したい」とつぶやいたところ、
 賛同者が殺到。

2紙の広告費240万円を募ると、
 全国から6015件、約1930万円が寄せられた。

4月14日付 編集手帳

社説・コラム  
 
大リーグ・アスレチックスの主砲、
 ホセ・カンセコ選手が
 レンジャーズに移籍したのは
 1992年9月である。


試合中、
 いわゆる
 ウエイティング・サークル
 (次打者席)にいるところを
 ベンチに呼び戻され、
 トレードを通告された


◆日本でも驚きをもって報じられたから、
 ご記憶の方もあろう。

 球団側に急ぐ事情があったらしいが、
  よりによって選手にとっての“戦場”で告げなくても…と、
 気の毒に思わぬでもない

◆何ごとにも頃合いがある。
 戦力として疑問が生じた場合でも、
 “戦場”にいる人の進退は軽々に扱ってはならないだろう

◆原発事故の対応や、
 統一地方選の敗北をめぐり、
 
 菅首相の責任を問う声が
  民主党内で音量を増している。


 首相も“戦場”の人には違いない。
 
 情報開示の遅れや不要なパフォーマンスなど、
  手腕が心もとないのも事実だが、
  手術中に執刀医を交代させるにも等しい
  党内抗争はもっと危険だろう。

 すべては、
  放射能を封じ込め、
  「フクシマ」を「福島」に戻してからの話である

◆手ごわい原発相手の試合に勝利が見えたあとならば、
 トレードや解雇を通告する時間はいくらでもある。

(2011年4月14日01時07分 読売新聞)

トヨタ最終報告 喉に刺さった骨がとれた

社説
トヨタ最終報告 喉に刺さった骨がとれた
2011年2月11日

 トヨタ自動車といえば、
  先月、燃料漏れの恐れがあるとして、
  ミニバン「ノア」「ヴォクシー」など
  19車種計127万7390台
  (2000年5月―09年8月生産)の
  リコール(無料の回収・修理)を国土交通省に届け出ていた。

 事故につながりそうな要素を未然に取り除く
  「リコール」の申し出は悪いことではない。

 むしろ奨励されている。
 だが、それが続くと「大丈夫かな」となる。

 製品の品質、安全性に対する信頼を失えば企業の存立基盤は崩れる。
 トヨタは米国で、その危機に直面した。

 その極みに達したのが、1年前の米議会の公聴会だった。
 トヨタ車の急加速の原因が電子制御システムにあったのではないか。
 しかも、その欠陥を隠していたのではないか。疑惑の目が注がれた。

 その中で出席した豊田章男社長は、システムの欠陥の可能性を否定した。

 その主張が1年後に裏書きされた。

 公聴会後、議会の要請を受けて米運輸省と米航空宇宙局
  (NASA)がずっと調査を続けてきた。
 その最終報告書が公表された。
 そこで、電子制御システムに「欠陥はない」と断定されたのだ。

 トヨタは勝利を収めた。
 だが、その味はほろ苦い。
 失ったものも多いからだ。それは米行政当局も同じといえる。

 70ページ余りの最終報告書は米運輸省の自己弁明書とも読める。
 消費者の苦情があったのに、急加速問題をきちんと調査していなかったのではないか。
 トヨタの説明をうのみにしていたのではないか。
 トヨタとともに批判にさらされたのだ。

 トヨタにも行政当局にも判断ミスがあった。
 トヨタはアクセルペダルがフロアマットに引っ掛かって暴走する恐れがある、
  アクセルペダル関連部品にも問題があると、
  07年に行政当局から指摘を受けながら、
  09年秋に自主改修などに乗り出すまで結果として問題を放置した。

 自主改修のきっかけとなったのが、
  その年の8月、米カリフォルニア州で起きたレクサスES350の事故だった。
 米メディアによると、高速道路で時速約190キロで衝突し、4人が死亡した。
 この事故の原因はフロアマットとされた。

 報道が先行し、疑惑が生まれた。
 そこでトヨタの対応は後手に回り、行政は対応の甘さを批判されることになった。

 トヨタに対する消費者の苦情が急増していく。
 米政府や産業界に「世界一のトヨタ」を狙い撃ちする意図があったかどうかは別に、
  トヨタから見れば米世論から袋だたきに遭う結果になった。

 トヨタのつまずきを私たちが不安に思ったのは、
  それがモノづくりニッポンの衰退と重なり合って見えたからだ。

 だが、トヨタは踏みとどまった。
 最終的に米政府から安全のお墨付きを得た。
 喉に刺さっていた大きな骨がとれた。

 ただ、トヨタを相手取った訴訟は全米で200件以上あるといい、
  裁判の長期化も予想されている。
 まだ乗り越えるべき課題も生かすべき教訓も数多くある。


=2011/02/11付 西日本新聞朝刊=
検索フォーム
最新記事
最新コメント
カテゴリ
リンク
FC2オンラインカウンター ここから --> 現在の閲覧者数: